「事故物件怪談 恐い間取り」松原タニシ*1著(二見書房)
身近な住宅街や繁華街にある「ワケあり物件」の不思議な話を、すべて間取り付きで紹介するこれまでにない怪談本です。
週間ダイヤモンド2018年7月7日号に掲載されたビジネス書ベストセラーです。
日販オープンネットワークウィン調べ(単行本ビジネス6月18~24日)
エコノミスト2018年7月10日号レビュー欄で照会されたビジネス書
奇妙な本です。
タイトルからうかがえるのは、女性二人による雑貨店経営の本のようです。
店を経営した10年と年月で括られているのは、過去形の物語なのでしょうか。
フリーランスで起業を目指す人たちが増えている時代なので、その関係の本と思って見てみると、
店を開いては閉め、開いては閉めの繰り返しで続けてきた雑貨屋さんの思い出を綴った本というところがただ者ではありません。
サイトを探り当てると、著者の略歴が見つかりました。
gg(ジジ)とはgoodgoodsの略。デザイン会社で知り合い、
一緒に独立した小山奈々子、野口幸子のユニット。2006年8月、東京・代官山に8坪の店舗をオープン。
2年限定の月替わりショップを展開後、雑貨屋でつながったアーティストたちと
gg Lock Art Fesival を開催。横浜、長野、スウェーデン、沖縄、台湾、塩竃など
国内外で2016年までに7回開催し、ライフワークや社会貢献活動などにも
つなげている。ジジの合鍵〜雑貨屋ジジとアーティストの10年〜[小山奈々子 野口幸子] - gg : ジジのウェブ
雑貨屋のようなギャラリーのようの「gg」ジジ。
存在していたのは、代官山や渋谷、恵比寿など2年間で24カ所。毎月開店して、閉店を繰り返す一ヶ月間限定のお店というところが想像力をかき立てます。
祝!デッパン(出版)『ジジの合鍵』 - THE『押忍!手芸部』
版元の「kukuibooks」は新聞社勤務ののち独立した宮脇洋さんと、マガジンハウスの編集に携わった高橋環、雪嶋恭子さんが営むちいさな出版社です。手作りの存在感が伝わってくるような気がします。
アートの好きな女性ユニット「ジジ(gg)」が案内するワンダーランド。 雑貨屋を皮切りに、アートフェス、動物愛護や活版印刷、地方創生などの社会問題まで活動の幅を広げてきた10年の活動の軌跡。アコースティック・デュオ「羊毛とおはな」との絆も初公開。
主義主張の争いを聞くと、なるほど筋は通っていると納得する反面、耳感じる違和感が残ります。
日々を坦々と生きる人たちの姿のほうが、多くのことを語ってくれます。
声高に語ることなく、人生をあるがままに受け入れる。
無名の人たちの営みを歴史の中から掘り起こしたところに意味がある本です。