人が見逃す部分を地道に掘ること
未明に降った雪はやんだものの、残雪に弱いのが首都圏の特徴です。
新聞の書評*1でジャーナリストの清野由美さんが「ぼくらの仮説が世界をつくる」という本を取り上げていました。
この本で著者の佐渡島さんは「情報を先に集めて仮説を立てると新しいことはできない。」と前例主義を否定しています。清野さんは、普通の人が見逃す部分をとらえ、成果が出るまで地道に努力を続けるという著者の姿勢を評価しています。
どこにでもすぐ行けて、欲しい物が簡単に手に入る時代に私たちは生きています。手間がかかり、遅いことは否定され、覚めた感覚に近い「定説」が生まれ、それ以外の考え方を圧倒します。この定説を疑ってみることが大切なのだというのです。泥臭く、汗をかきながら「仮説」という道を歩き続けるうちに世界が開かれるわけです。
着眼と継続の価値を問い直す新書と言えば、最近のベストセラー「戦略がすべて*2」があります。身の回りのことを常に「戦略的思考」で考えるように呼びかけています。「戦略で勝つ」とは、横一列の競争をせず、他とは違うアプローチを模索することなのだそうです。
「結論はすでに見えた」という常識は果たして正しいものなのか?疑ってかかる姿勢を持ちつづけることは大切のように思います。
新書のベストセラー
紀伊國屋書店梅田本店調べの新書ベストセラー(12月28日~1月3日)
- 「戦略がすべて」瀧本 哲史*3著(新潮社)
- 「大世界史」池上 彰・佐藤 優著 (文藝春秋)
- 「糖質制限の真実」山田 悟*4著(幻冬舎)
- 「本音で生きる」堀江貴文著(SBクリエィティブ)
- 「すごい家電」西田 宗千佳*5
著(講談社) - 「朝鮮と日本に生きる」金 時鐘*6著(岩波書店)
- 「家族という病」下重 暁子著(幻冬舎)
- 「蘇我氏の古代」吉村 武彦*7著(岩波書店)
- 「人生を面白くする本物の教養」出口 治明*8著(幻冬舎)
- 「ゲゲゲのゲーテ」水木 しげる著(双葉社)