本屋大賞もそろい踏み
またまた書店員が平台を大幅に入れ替えていました。今度は何かと見てみると、本屋大賞ノミネートのタイトルが目に飛び込んできました。☆
全国の書店員が投票で自分が推したい本を選ぶという、書店の一大イベントが「本屋大賞」です。*1今年も10冊のノミネート作が公開されました。
- 「朝が来る」辻村 深月著(文藝春秋)
- 「王とサーカス」米澤 穂信著(東京創元社)
- 「君の膵臓をたべたい」住野 よる著(双葉社)
- 「教団X」中村 文則ちょ(集英社)
- 「世界の果てのこどもたち」中脇 初枝著(講談社)
- 「戦場のコックたち」深緑 野分著(東京創元社)
- 「永い言い訳」西川 美和著(文藝春秋)
- 「羊と鋼の森」宮下 奈都著(文藝春秋)
- 「火花」又吉 直樹著(文藝春秋)
- 「流」東山 彰良著(講談社)
赤字:ミステリー、青字:芥川・直木賞該当作
書店員に「文学賞の発表に続き、矢継ぎ早ですね」と話しかけると、「2月と8月はどうしても本が売れない時期なので、話題があるだけ助かります」という返事。
投票したかどうか聞くと「投票には参加しませんでした」という意外な答えが返ってきました。本屋大賞は書店員が総意で選ぶ”国民投票”ではないのでしょうか?
参加しない書店員の立場に立つと「それもしかたないかな」と考えさせられることがあります。それは書店員の仕事の量です。配本の検品や棚ざしや売り場の担当などで、仕事の合間に本をめくる暇な書店員はみたことありません。
対面販売を通じて読者に近いところから選ぶという、賞の掲げた志は理解できます。しかし端から見る限り、「全国書店員が選んだいちばん! 売りたい本」をキャッチコピーとするには無理がありそうな感じがします。
選考の難しさを感じていたら、同様の思いを持つ人も多いようです。
困った顔の私を見て、書店員は「ふだん本を読まない人や、どの本を選んだらいいかわからない人のための目印ととらえた方がよくて、本の世界に入った人はそれなりに自立するので大げさに考えない方がいい」と教えてくれました。
すべてはお客さんの満足次第ととらえれば、目くじらたてるほどのことでもないかもしれません。