春ドラマ直前。ガイドブック全開中。
広告を一切載せず、一人ひとりの読者と向き合うことで、雑誌が売れないと言われる現在も、16万5000部を発行し続けているのが雑誌「暮しの手帖」です。その創刊者である大橋鎭子(しずこ)、花森安治をモデルとしたフィクションドラマが次の朝の「連続テレビ小説」*1です。ドラマ開始に先駆け、ガイドブックが店頭に登場。売れ行きは好調です。
【今だけポイント3倍!】とと姉ちゃん 連続テレビ小説 Part1/西田征史/NHK出版後払いO… |
人物のモチーフとなったのは雑誌「暮らしの手帖」創刊者の大橋鎭子さん(1920-2013)です。大橋さんの関連本も暮らしの手帖社から発売され、早くもドラマ特需の気配が感じられます。
「『暮しの手帖』とわたし」大橋鎭子 著
「しずこさん~『暮しの手帖』を創った大橋鎭子」 暮しの手帖 別冊
中高年のマスコミ関係者には、大橋さんよりも編集者として活躍した花森安治さん(1911~1978)の方が有名です。なにせ、一人で編集者、グラフィックデザイナー、ジャーナリスト、コピーライター。生活雑誌『暮しの手帖』の創刊者と、本作りを背負って立ったのですから超人と言わざるを得ません。
特にイラストは絶妙な構図です。卓越した色使いでありながら、あたたかみのある作風は「暮らしの手帖」の代名詞ともいえるもので、今なお色あせない魅力があります。
ドラマでは唐沢寿明が演じる花山伊佐次(はなやま いさじ)が花森をイメージさせ、とと姉ちゃんを支えることになります。変人的(独創的)な感性を持ち、髪はおかっぱ、ズボンの代わりにスカートを着用するなどしていた花森の個性を唐沢がどう演じるのかドラマの話題になりそうです。
大橋さんは1978(昭和53)年に花森が没した後もその意志を継ぎ、人々の暮らしに役立つ雑誌であり続けたいと願って、経営と編集に尽力。93歳で亡くなる1年ほど前まで、朝9時から夕方5時半の勤務を続けました。2013(平成25)年3月23日、肺炎のため永眠しました。朝ドラマの最終回はどんな展開となるのでしょうか。
「暮しの手帖」とわたし [ 大橋鎮子 ] |
暮しの手帖別冊 しずこさん「暮しの手帖」を創った大橋鎭子 2016年 04月号 [雑誌] |