本屋は燃えているか

ブックストアの定点観測

伝説のドラマ脚本家の対談集です

本日の面陳はこの本。

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「お茶をどうぞ: 対談 向田邦子と16人」向田邦子 著(河出書房新社

1929年東京生まれ。放送作家としてラジオ・テレビで活躍。「だいこんの花」「寺内貫太郎一家」等。1980年に短篇小説「思い出トランプ」で直木賞受賞したが、81年8月飛行機事故で急逝。『父の詫び状』等。

存命であれば90歳。高度成長のころテレビの青年時代を駆け抜けた脚本家さんです。当時放送局で番組を中心担って作っていただろう人はフリーの方を除いて引退されているはずで、今現役の放送局員にとっては伝説上の人物でしょう。

  • 学生の頃、テレビ(ドラマ)を志すならば、演出(ディレクター)と脚本が誰なのか名前を覚えておいた方がいいと、放送局を志向する仲間同士ささやき合った名前の中に、向田邦子さんの名前がありました。「倉本・山田は硬派、向田邦子は市井派、橋田壽賀子は井戸端」と乱暴な評価を下す同輩もいました。台湾行きの旅客機が墜ちたというニュースの中に向田邦子さんの名前があると知って驚きました。向田さんの訃報を前に、誰もが惜しんだのが、装飾をはぎ取って芯だけになりながらも、何か気品を失わない作品で、もう新しい作品に出会うことができないという喪失感でした。本書の帯に「きらめく言葉」とありますが、登場人物の交わす会話の中にある響く言葉は、同じ時代を生きたテレビ関係者たちが大切に取ってあったのでしょう、本を開くとあのころ感じた凜とした気品に出会えるかもしれません。 
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