新しくお目見えした本
伝説のサバイバル・エッセイ
待望の最新刊!生きるだけで精一杯の人たちが、
今とは別の人生をイメージできるだろうか?
星に願いを伝えられるだろうか?
いつでも夢を持っていられるだろうか?
夢という言葉ばかりが氾濫し、不安が蔓延する今、
騙されないで生き延びるには?
新たなる地平への渾身のメッセージ。――今や「願い」も「夢」も消えつつある。
本書は、まだそれらが実在した時代の曲名を、
二つ組み合わせてタイトルとした。
アイロニーではないし、ニヒリスティックに
なっているわけでもない。
わたしは、現実を見ようとしているだけだ。
――「あとがき」より
既成メディア(とくに大手) への厳しい批評が持ち味の村上龍氏の新著です。20年近くしかられ続けてきたマスコミ人(放送局員)の中には、どういうわけか村上さんのファンらしい読者が生まれているようで、贔屓筋の読者に引き合いがあります。
広がる格差の中で、底辺にいる人たちにとって「願い事」を持つことすら絶望的になりつつあります。「願い事がない世界」は「夢がない世界」を意味するとするなら、「星に願いを、いつでも夢を」と浮かれてはいられません。贔屓筋の読者は表題に隠されたメッセージを感じ取り、足掻き続けるのです。