本屋は燃えているか

ブックストアの定点観測

家を買うオンナを描いた「プリンセスメゾン」

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BSプレミアムで放送されていた「プリンセスメゾン」が12月13日(火)最終回を迎えました。一人暮らしの女性が、コツコツ貯めたお金で自分の家(マンション)を買いたいと夢見ながら、少しずつ変わっていく姿を描いたこのドラマは20代の女性層を中心に静かな感動を呼びました。 

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「大きい夢なんかじゃありません。自分次第で手の届く目標です。家を買うのに自分以外の誰の心もいらないんですから」と宣言する主人公・沼ちゃんのまっすぐな言葉は、人生の決断に迫られる同世代を応援するかのように響きます。

同世代の女性層を中心に問い合わせが殺到したドラマ原作本は

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「プリンセスメゾン」池辺葵 著(小学館

 妙齢女子ひとり。自分だけの、安らぎの、大好きな……物件?
モデルルーム見学の常連と化す主人公・沼越(ヌマゴエ)さんは、“たったひとつ”の物件に出会うため、オリンピックを控えた東京を舞台に歩き回る…!?

このマンガがすごい!2016』(宝島社)オンナ編 第10位!

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自分が生きるために必要な場所を真剣に選ぶ沼ちゃんの行動に、はじめは不思議に思っていた不動産会社の女性たちも変わり始めます。慎重な行動は臆病と紙一重。大事なことが自分一人で決められないのも不幸です。「いつまで生きられるかもわからないし、この先どうなるかわからないからむしろ今しかないって」という言葉からは人生の岐路に立った時「覚悟を決める力」を分けて貰える気がします。

「欲しいものは手に入れてからが大事」とは家を選ぶことではなく、選んだ家でどれだけ前向きに楽しく生きていけるかが大事なのだよということ。

「自分自身の価値」再発見の言葉なのかもしれません。