「新きっぷのルール ハンドブック」土屋武之 著(実業之日本社)
「営業キロ+換算キロ」は乗車券だけ?特急券は?三セクや私鉄を通過する列車の運賃はどう計算する?旅行途中で列車がトラブル、運転打ち切りになったら?18きっぷで乗れるのはどこ?きっぷは考え方を理解すれば、たちどころにルールもわかる!
切符の旅といえば印象に残るのが、えふぶんの壱という制作プロダクションが企画した番組「列島縦断 鉄道12000キロの旅 〜最長片道切符でゆく42日〜」(2004年放送)です。旅番組のプロが集まった制作会社が総力を挙げた企画で、関口宏さんの息子さんの関口知宏が、一筆書きの鉄道旅に挑んだ番組でした。
その冒頭で、北海道の稚内駅から佐賀県の肥前山口駅までJRのみの路線で同じ駅を2度通らずに走り抜ける最長のルートが紹介されていました。*1
当時30歳を超えたばかりの関口さんがへとへとになりながらも、ローカル線を旅する番組は毎日生放送されていました。番組の臨場感もさることながら、鉄道のスケジュールにあわせて中継の設営をする裏方陣の苦労や、ダイヤを守る鉄道技術の水準を実感することができました。
大勢の人を動員し、鉄道側と調整を積み重ねた上につくられたこの企画自体について考えると、切符のルールなど鉄道の情報がまとまっていないことには、成立しなかった番組ではなかったでしょうか。本には驚くようなテレビの企画を生み出す力が潜んでいます。
*1:ちなみに、同じ駅を2度通らず、途中下車をしない場合、通ったルートがどれだけ遠回りしても、料金は乗車駅と下車駅を結ぶ最短料金が適用されるというミニ知識はのちに知りました