「トマト缶の黒い真実 (ヒストリカル・スタディーズ)」ジャン=バティスト・マレ 著(太田出版)
「黒いインク」と呼ばれる酸化トマト。
古くなって酸化が進み、腐ってしまった濃縮トマトを使った商品のことを言うのだそうです。
「産地偽装」、奴隷的に安価で働かされる労働者。
トマト缶の生産と流通の裏側をリポートした本です。
食品の安全性に対する疑惑は繰り返し報道されてきました。
最近静かになったと思ったら、トマトにも疑惑が浮上してきたようです。
ただ、食の安全は消費する側から見るだけでは足りません。
生産者側のつぶやきも掘り起こさないと欠席裁判になりかねません。
生産者は自分に都合の悪いことは隠す傾向がありますが、どこからか話題は漏れます。
気になって「酸化トマト」を検索してみましたが、本書以外の記事は見当たりません。
国内でも消費生活センターなど、情報が集まる公の機関があります。
「安全」は定量的に手に入れることはできますが、「安心」は具体的に手にすることはできません。
慌てず騒がず、裏を取ることが安心に繋がります。