「結局、どうして面白いのか ──「水曜どうでしょう」のしくみ」佐々木玲仁 著(フィルムアート社)
この書店の人気上位を占める鉄板出版社。フィルムアート社の本です。
少し前の本ですが、継続して売れているところに面白さを感じます。
1996年スタート、北海道テレビ放送(HTB)製作。
北海道のローカル番組ながら、日本全国や海外でも放送されている。
出演の鈴井貴之・大泉洋とディレクターの藤村忠寿・嬉野雅道旅の4人が、
旅をベースにしたさまざまな企画に挑む人気バラエティ番組。
ロードムービーとは映像作品の演出手法のひとつです。文学では「旅行記」にあたるもので、登場人物が旅をしてそこで起きる出来事が描かれます。
映画のジャンルである。旅の途中で起こるさまざまな出来事が、映画の物語となっている。演劇では歌舞伎や浄瑠璃における「道行」(みちゆき)、文学における東海道中膝栗毛などの「旅行記」「紀行」「旅行記」「道中記」にあたる。
放送局ではVTRカメラが可搬型になり、手持ちカメラの撮影が可能になった頃から
演出に取り入れられ始めました。
注目され始めたのは「夜はクネクネ」からではなかったかと思い出しました。
1983年。毎日放送で深夜の時間帯に放送されたバラエティ番組です。
ハンディカメラとバッテリーパックの照明がセットになった撮影スタイルは、それまで固定カメラで撮るのが常識だった同業者たちを驚かせました。
演出以上にこのスタイルが画期的だったのは撮影にかかるコストでした。
スタジオセットなどの収録費用かからないことから、格段に安く作れるようになりました。
経営者にとっては革命的なシステムが登場したのです。
新しい箱に会わせた演出手法を開発したいというのは制作者が誰でも持つ夢です。
かくして制作費を切り詰めながら、面白さを追求するという、
現在のテレビ局の持つスタイルが流行していったのです。
※欧米の放送関係者によると「手持ちカメラの映像は目眩がする」といいます。
なるほど、よく見ると欧米のドキュメンタリーは
三脚で撮ったような絵を数秒のカットで編集するものが目立ちます。
(アップルやグーグルのコマーシャル映像のようなものといいましょうか)
どの映像を好むかは国民性のようなものかもしれません。