「紛争地の看護師」白川優子 著(小学館)
外務省のサイト「海外安全ホームページ」は海外取材をする際、まず最初に確認しなくてはならない情報の一つです。
ここには世界各国の治安に関する最新情報がまとまっていて、現地の安全を確認できます。
渡航・滞在にあたって特に注意が必要な場合に発出される情報で、最新の現地治安情勢と安全対策の目安を示す「危険情報」と、限定された期間、場所、事項について安全対策の観点から速報的に発出される「スポット情報」から成ります。
取材計画が承認されるのは「レベル1:十分注意してください。」までです。
レベル2以上になると渡航はほとんど認められません。
テロや治安の悪化といった危険だけでなく、疾病の流行もあります。
海外に行ってみてわかるのは、その土地のもつ危険な匂いです。
日本にもヤバイ場所というのはいくつかありますが、天変地異を除いて、生命の危機を感じる場所はほとんどありません。
しかし海外には危険な雰囲気がごく普通に存在しています。
海外で仕事をするテレビクルーは、基本的に危険な場所で単独行動はしません。
レベル1の条件でも、安全な条件を確保し単独行動は避けます。
クルーは現地事情に精通した取材源を確保し、その情報を元に番組を制作するのです。
放送時間の枠からこぼれ出たヤバイ場所のやりきれない現実が綴られた本。
安全な日本の視聴者に伝えたい想いが閉じ込められています。