本屋は燃えているか

ブックストアの定点観測

女性をとりこにする「塗り絵本」

大人向けの塗り絵の本が人気だそうです。

塗り絵といっても、画用紙にクレヨンで描くあの塗り絵ではなく、完成したらイラストのように大人の鑑賞に堪えうる塗り絵です。

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 なかでも老舗格なのが河出書房新社が発行している塗り絵本シリーズです。現在130種類。昨年は60万部が売れたと言われています。

放送局の書店にも小さなコーナーがあります。

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このコーナーは写真集やイラスト集、クラフト本を置いているのですが、大人の塗り絵本を置いたところ人気が出始めました。手にとって眺める若い女性を見かけることもあります。

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版元の話によると、初版は5000部でスタートしたら20~40代の女性に人気で7万部のヒットになったそうです。塗り絵本とはいったいどんな本なのでしょうか?

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ページを開くと白い台紙の上に黒い輪郭だけ書かれた絵が見えます。読者は余白に好きな色を塗るだけという仕掛けです。

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版元には「描いているうちに心が落ち着いた」「ガイドがあるので上手に描けた気持ちにさせてくれる」といった声が寄せられていると言います。大手書店の中にはフェアを開催するところも出始めています。

達成感やリラックス効果が得られる塗り絵本は出版業界の救世主になるのでしょうか?