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本屋は燃えているか

ブックストアの定点観測

清水良典さんが選んだ今年の三冊

2016私の三冊

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清水良典*1さんが選んだ今年の三冊。

http://www.chunichi.co.jp/info/award/culture/article/img/no065-03.jpg

1「ジャッカ・ドフニ 海の記憶の物語」津島佑子*2 著(集英社

遺作
津島文学の頂点であり、最後の長篇小説

アイヌの母と日本人の間に生まれたチカップ。
16世紀日本、キリスト教への圧迫が強まる中、幼くして孤児となり、キリシタンに拾われたチカップは、兄と慕う少年・ジュリアンらキリシタン一行と共に海を渡り、新天地マカオを目指す。
数奇な運命に翻弄され、異国からまだ見ぬ蝦夷の地に想いを馳せ、母から聴いたアイヌの歌を支えに生きる女性の一生を、壮大なスケールで描いた物語。

ジャッカ・ドフニ  海の記憶の物語

ジャッカ・ドフニ 海の記憶の物語

 

 

2「大きな鳥にさらわれないよう」川上弘美 著(講談社

遠く遙かな未来、滅亡の危機に瀕した人類は、「母」のもと小さなグループに分かれて暮らしていた。異なるグループの人間が交雑したときに、、新しい遺伝子を持つ人間──いわば進化する可能性のある人間の誕生を願って。彼らは、進化を期待し、それによって種の存続を目指したのだった。
しかし、それは、本当に人類が選びとった世界だったのだろうか?
絶望的ながら、どこかなつかしく牧歌的な未来世界。かすかな光を希求する人間の行く末を暗示した川上弘美の「新しい神話」

大きな鳥にさらわれないよう

大きな鳥にさらわれないよう

 

 

3「狂うひと ──「死の棘」の妻・島尾ミホ梯久美子 著(新潮社)

戦後文学史に残る伝説的夫婦の真実に迫り、『死の棘』の謎を解く衝撃大作。

島尾敏雄の『死の棘』に登場する愛人「あいつ」の正体は?
あの日記には何が書かれていたのか。
ミホの書いた「『死の棘』の妻の場合」は、なぜ未完成なのか。
そして本当に狂っていたのは妻か夫か──。
未発表原稿や日記、手紙等の膨大な新資料によって、
不朽の名作の隠された事実を掘り起こし、
妻・ミホ生涯を辿る、渾身の決定版評伝。

狂うひと ──「死の棘」の妻・島尾ミホ

狂うひと ──「死の棘」の妻・島尾ミホ

 

 

*1:文芸評論家。愛知淑徳大学メディアプロデュース学部教授。愛知県名古屋市在住。

*2:小説家。本名は津島里子。作品は英語・フランス語・ドイツ語・イタリア語・オランダ語アラビア語・中国語などに翻訳されており、国際的に評価が高い。東京都北多摩郡三鷹町生まれ。小説家太宰治と津島美知子の次女。2016年2月18日, 没