「もし文豪たちが カップ焼きそばの作り方を書いたら」神田桂一、菊池良 著(宝島社)
もしも村上春樹がカップ焼きそばの容器にある「作り方」を書いたら―
ツイッターで発信され、ネット上で大拡散されたあのネタが、太宰治、三島由紀夫、夏目漱石といった文豪から、
星野源、小沢健二らミュージシャンまで、100パターンの文体にパワーアップして書籍化されました。
読めば爆笑必至の文体模倣100連発。
文体の模写にかぎらず、パロディは作る側に相当の蓄積がないとを読者をうならすことはできません。するどい観察眼というものかもしれません。
わっはっはと楽しみながら読み切った後感じたのは、著者(本書の場合は複数)が読み込んだであろう読書体験の奥深さでした。
ともかく読んでいないと書けない。
特徴を捉えたように見える表現の面白さもさることながら、
人格がにじみ出てくるような表現はなかなかの力量です。
文学部系の素養はありませんが、本書の巻頭言に書かれているような「軽く読んではははと笑って、ページを閉じたときすべて忘れれるような本」と読み飛ばすわけにはいかないオーラを感じさせる本です。