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週間ベスト10 2017.05.23

ランキングです

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東京堂書店神田神保町店調べ(5月23日)

 

1「P+D BOOKS 小説 阿佐田哲也色川武大 著(小学館

「奴とは、ばくち打ちであり、ばくち打ちの奥に至らんと五十年もすごしてきたような、顔をしている人物である」―色川武大は“阿佐田哲也”を冒頭でこう評している。阿佐田哲也なるばくち打ちは『麻雀放浪記』を書き、麻雀新撰組などを結成して世間を煙に巻いた。色川武大名義では『離婚』で直木賞を受賞した作家が、虚にして実、実にして虚の“阿佐田哲也”の素顔に迫った異色作。

P+D BOOKS 小説 阿佐田哲也

P+D BOOKS 小説 阿佐田哲也

 

2「劇場」又吉直樹 著(新潮社) 

劇場

劇場

 

3「ランチパスポート神保町・御茶ノ水・水道橋・飯田橋VOL.9 ([テキスト])」(DRCマーケティング) 

ランチパスポート神保町・御茶ノ水・水道橋・飯田橋VOL.9 ([テキスト])

ランチパスポート神保町・御茶ノ水・水道橋・飯田橋VOL.9 ([テキスト])

 

 

4「夫・車谷長吉」高橋順子 著(文藝春秋) 

十一通の絵手紙をもらったのが最初だった。直木賞受賞、強迫神経症、お遍路、不意の死別。異色の私小説作家を支えぬいた詩人の回想。

夫・車谷長吉

夫・車谷長吉

 

「阿呆になることが一番よいのです。あなたは小利口な人です」朝日新聞で連載した「悩みのるつぼ」で知られる作家、俳人車谷長吉(くるまたに ちょうきつ、1945~2015年)の本。早速重版もかかったようです。 

withnews.jp

 

5「暗い時代の人々」森まゆみ 著(亜紀書房

大正末から戦争に向かうあの「暗い時代」を、翔けるように生きた9つの生の軌跡を、評伝の名手が描き出す!

満州事変勃発から太平洋戦争終結にいたるまでの、あの「暗い時代」。その時、人々は何を考えていたのか、どこが引き返せない岐路だったのだろうか。この本の中でわたしが書いたのは、最も精神の抑圧された、1930年から45年の「暗い時代」に、「精神の自由」を掲げて戦った人々のことである〉(本書まえがきより)

【目次】
第1章 斎藤隆夫 リベラルな保守主義
第2章 山川菊栄 戦時中、鶉の卵を売って節は売らず
第3章 山本宣治 人生は短く、科学は長い
第4章 竹久夢二 アメリカで恐慌を、ベルリンでナチスの台頭を見た
第5章 九津見房子 戸惑いながら懸命に生きたミス・ソシアリス
第6章 斎藤雷太郎と立野正一 「土曜日」の人々と京都の喫茶店フランソア
第7章 古在由重 ファシズムの嵐の中を航海した「唯物論研究」
第8章 西村伊作 終生のわがまま者にしてリベルタン 

暗い時代の人々

暗い時代の人々

 

6「映画横丁 第4号(2017.春) 特集:日本酒のある風景」Sunborn 著(ソリレス書店)

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この雑誌は、個人的にミニコミ誌「映画酒場」を発行している月永理絵さん(32)が、映画関連サイト「LOAD SHOW」などを運営するSunbornに持ちかけた企画で、同社にとっては初の紙媒体となる。

「極端な話、映画と酒が好きという動機だけで十分におもしろい。とりあえずは季刊を想定しているが、理想としては毎月の発行を目指したい」と同社の岡本英之さん(36)。【手帖】雑誌「映画横丁」が創刊 - 産経ニュース

 

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映画横丁 第4号(2017.春) 特集:日本酒のある風景

映画横丁 第4号(2017.春) 特集:日本酒のある風景

 

7「今日の人生」益田ミリ 著(ミシマ社)

むなしい日も、幸せな日も、おいしいものを食べた日も、永遠の別れが訪れた日も……。益田ミリさんの人生がつまり、初めて「死」について書いた著者の転換点となる最高傑作・コミックエッセイ。
今日の人生

今日の人生

 

8「子どもたちの階級闘争――ブロークン・ブリテンの無料託児所から」 ブレイディ・みかこ 著(みすず書房

「政治は議論するものでも、思考するものでもない。それは生きること
であり、暮らすことだ。」
英国移民で一児の母でもある保育士ライターが放つ、渾身の一冊。

 

9「乱歩と清張」郷原宏 著(双葉社

江戸川乱歩松本清張。日本ミステリー界に燦然と輝く二大巨匠の歩みを丹念に追った本格評伝。
時代や育ちは違っても、ミステリーという一点で繋がった二人は友かライバルか。
読み応え十分。

乱歩と清張

乱歩と清張

 

 

10「後藤明生コレクション3 中期」後藤明生 著(国書刊行会) 

谷崎潤一郎賞受賞作「吉野大夫」ほか、全11作を収録。