「クイック・ジャパン134」ダウンタウン、藤井健太郎、鳥飼茜 著 (太田出版)
これまで数々の仮説を検証してきたバラエティ番組『水曜日のダウンタウン』。こだわりと狂気に満ちた、番組独特の編集と演出について50ページにわたって大特集!
表紙は、番組ビジュアルを手がけるODDJOB×ダウンタウンによるオリジナルカバーが実現。
「説検証」ロケとスタジオ収録の様子を追いかけた密着をはじめ、ディレクターたちによる座談会など番組の制作サイドから番組のこだわりを聞く一方で、「素材」として扱われる芸人やプレゼンターへのインタビューを実施。
番組づくりのセオリーの一つに「深掘り」という言葉があります。
テーマを深く掘り下げるということです。
広く浅く情報を集めるだけでは視聴者の想像力の裏をかくことは出来ません。
誰もが知らない事実であったり、意外なリアクションや行動を目にした時、
はじめて視聴者の感情や好奇心を揺さぶることが出来ます。
エンタメ系の番組の中で、テーマの設定や徹底した取材において、
飛び抜けた番組といえるのが「水曜日のダウンタウン」です。
「素材」として扱われる芸人以上に過酷なロケ現場を味わうのが制作現場。
特にADの皆さんです。
企画を考えるのはディレクターやプロデューサー、そして有能な放送作家の人たちですが、
それを具体的な絵にしてみせるのは体力のある若手の仕事になります。
「笑いを支える現場の修羅場を想像しながら、涙して読む」と
ベテラン放送関係者が語り出しそうな本です。
制作者のこだわりがわかるブログ
私が一番刺さったのは、わかりにくいんですが
番組でオードリーの春日がロケバスから降りたら、落とし穴に落ちるというVTRの作り方。
落ちた後のVTRを、落ちる前に持ってきた理由。
「間の尺で使える映像がなかった。これを後ろに持ってくると重くなる。」
これ、すごく「視聴者のことわかってるなー!すごい。」と思いました。
見る側に立って作るというのは、想像以上に難しいことです。