本屋は燃えているか

ブックストアの定点観測

革命のファンファーレ ~現代のお金と広告戦略~

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「革命のファンファーレ ~現代のお金と広告戦略~」西野亮廣 著(幻冬舎

クラウドファンディングで国内歴代最高となる総額1億円を個人で調達し、絵本『えんとつ町のプペル』を作り、30万部突破のメガヒットへと導いた天才クリエイターが語る、"現代のお金の作り方と使い方"と最強の広告戦略、そして、これからの時代の働き方。

自分のことは自分が責任を取るという姿勢は、行うは難しい生き方です。躊躇して悔いを残すのではなく、行動を持ってけじめをつけるというのが著者の取った生き方のようです。一億総"忖度"の時代に、忖度に真っ向から対峙する芯が通った著者の姿勢は(炎上商法も連想しますが)躊躇する自分を勇気づけてくれます。

キングコング 西野 公式ブログ - 奴隷をやりたけりゃ、勝手にやってろ - Powered by LINE

奴隷を続けたけりゃ、そのまま平和に勝手に続けとけ。
それが嫌なら声を上げろ。 
くれぐれも、他人を引きずり込むな。

……というようなことを、ものすごーく優しくく書いた本が、この秋に出るニャン🐱
予約してくれニャン😻
ボク、みーんな大好き😻😸

 公式ブログの記事によると、秋にも新刊が発表されるようで、その告知が面白い。反骨の人を支持する放送局員は少なくありません。「絵本は正直あまり動かなかったけど、エッセイは動くので部数確保しておきたい」とは書店員の声です。

 

革命のファンファーレ ~現代のお金と広告戦略~

革命のファンファーレ ~現代のお金と広告戦略~

 

 

「変」なクラスが世界を変える! - ぬまっち先生と6年1組の挑戦

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「「変」なクラスが世界を変える! - ぬまっち先生と6年1組の挑戦」沼田晶弘 著(中央公論新社

教育界のみならずビジネス界からも注目されている小学校教諭、「ぬまっち」。子どもの「自ら成長する力」を引き出すユニークな教育は、掃除の時にダンスしたり、「夢」の卒業遠足を実現させたり、子どもが先生の代わりに教えたりと、一風変わったものばかり。型破りな教室で、子どもたちは自己肯定感を高め、自らチャレンジする力を育てていく…そんな「世界一のクラス」の奇跡の成長物語。

ぬまっち(沼田 晶弘)@小学校教諭 (@88834) | Twitter

2012年8月28日の中教審文部科学省中央教育審議会)の答申で注目を集めたのが「アクティブ・ラーニング」という考え方です。

「従来のような知識の伝達・注入を中心とした授業から、教員と学生が意思疎通を図りつつ、一緒になって切磋琢磨し、相互に刺激を与えながら知的に成長する場を創り、学生が主体的に問題を発見し解を見いだしていく能動的学修(アクティブ・ラーニング)への転換が必要である」

平たく言えば「受け身の学び」から「自発の学び」への転換です。私も二十歳を過ぎた学生さん相手に実技実習した時、学生さんたちの態度から「待ちの姿勢」を感じました。失敗してもかまわないからとにかくやってみる学生はなかなか出てきませんでした。

高度成長期をモデルとして形作られたわが国の教育は、知識量の重視だったといえます。しかし、情報が国境を越える現代では、グーグルやアマゾン、フェイスブックを見ればなんとなくわかるように、知識量で勝負する勤勉実直型ではたち行かなくなっています。

そこで登場したのが能動的に学ぶ「アクティブ・ラーニング」という考え方だったのです。本書を浅く読むと、掃除の時にダンスしたり、「夢」の卒業遠足を実現させたり、子どもが先生の代わりに教えたりと、金八先生のような熱血教師の変な授業が印象に残ります。本質はかなり深い構造改革のモデルケースであり、グローバル化する世界への対応策として解釈すると世界が違った景色に見え始めます。

「変」なクラスが世界を変える!  - ぬまっち先生と6年1組の挑戦

「変」なクラスが世界を変える! - ぬまっち先生と6年1組の挑戦

 

 グローバル教育 気になるキーワード VOL.4 アクティブ・ラーニング | G-Edu

「ポスト真実」の時代

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「「ポスト真実」の時代 「信じたいウソ」が「事実」に勝る世界をどう生き抜くか」津田大介日比嘉高 著(祥伝社

イギリスEU離脱、アメリカ大統領、共謀罪、安保法制、原発事故、フェイクニュース、オルタナティブ・ファクト―嘘をついたもの勝ちの世の中に、なぜなったのか?最前線を疾るメディア・アクティビストと気鋭の日本文化・文学研究者が徹底分析!

ポスト真実」の時代は最近流行のキーワードです。情報を伝達する媒体の早さや量が加速度的に増加したため、私たちはかつての経験則でことの真贋を見抜く技を失いつつあります。どうしたらいいのだという不安を感じたとき、一つの指針として手に取る本です。芥川龍之介の「羅生門」のように事実と真実の戦いは今始まったことではないからです。アマゾンのレビューが核心を突いています。

本書は「ポスト真実」(ウソがまかり通る時代)のさまざまなエピソードや
その現象、どうやって向き合えば良いのか、
また、自分が加担していないのか?とか
どう生き抜くのかが書かれていていますが
正直、根本的な解決策というのは弱いかも・・と思いましたが
今の時代を認識しておくのに、一度は読んでおいた方が良い内容の種類の
本だと思います。 

 

新 もういちど読む 山川日本史

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「新 もういちど読む 山川日本史」山川出版社

 

高校の日本史教科書を,一般読者のために書き改めた通史。1冊で日本の歴史を簡潔に叙述し,その全体像を示す。新コラム・カラーページ追加で,初版から8年ぶりのリニューアル改訂。

放送局員にとって8月は歴史に向き合う季節です。そこで店頭を飾るのが山川の歴史本。これが結構動いています。

学生の頃は眠い目をこすりながら読んだ歴史教科書。仕事柄、ものごとの成り立ちや背景をおさらいするために欠かせないのが「事実」関係です。とくに歴史は様々な歴史観を持つ人たちから標的にされやすい分野にあたるため、流れを俯瞰して見る姿勢が欠かせません。そんなとき役に立つのが流れをざっと理解できる教科書です。おおぐくりな流れを踏まえた上で、議論が分かれるところは個別に情報源にあたって行けば、大きなトラブルに巻き込まれることはありません。放送局員は論評する研究者ではないからです。

新 もういちど読む 山川日本史

新 もういちど読む 山川日本史

 

 

新 もういちど読む 山川世界史

新 もういちど読む 山川世界史

 

 

 

月の満ち欠け

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「月の満ち欠け」 佐藤正午 著(岩波書店

第157回直木賞に選ばれた「月の満ち欠け」が入荷しました。いつもと違って部数は少なめです。というのもこの本はいつものような配本ではなく、買い切り。つまり書店の責任で売り切らないと行けない本だからです。版元は岩波書店。岩波の本は確実に部数が届く上、そこそこ動くことから心配ないと思いますが、書店にとってはギャンブルのようなものです。

著者は新聞のインタビューに答えて「小説家が本当に小説家でいるのは、姿を見せず沈黙したまま世間から忘れ去られて、一人机に向かっている時です」と語っていました。書く意欲がある人の本を売りたいというのが本屋の気持ちです。

「自分に書く意欲があって、おまけに書かせてもらえる場所があるなら、辛いことは何もありません。怖いのは自分の中に書く意欲がなくなることです」岩波書店の見識を感じる本です。

その企画、もっと面白くできますよ。

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「その企画、もっと面白くできますよ。」中尾孝年 著(宣伝会議

目次

【はじめに】「面白い」は世の中を動かす無尽蔵のエネルギー
【第1章】ビジネスにおける「面白い」とは何か
【第2章】「面白い」を機能させる
【第3章】面白くする技術・実践編~「面白い」で様々な課題を解決する~
【第4章】面白くする技術・心構え編~みんなが陥りやすい罠~
【第5章】そして、あなたが面白くなる! ~これが「面白い」の最後の仕上げ~
【おわりに】新しい「面白い」を創造する仕事

コンテンツ作りは「習うより慣れろ」の世界です。出す企画が全てヒットするかのような一握りの例外のスタープレーヤーはいますが、ほとんどのクリエイターは日々の積み重ねの上に生活しています。

仕事がうまくなるためには早道はありません。人の作品を浴びるほど見て、駄作でもかまわず数多くの提案をひねり出すことにつきます。千に三つの確率で人様の関心を引くことができればしめたもの。そこから人生がはじまるのです。

ですから、ビギナーは「企画をもっと面白くできますよ」と誘われて、その気になってはいけません。 疲れたときに飲む栄養ドリンクのように、気分転換に目を通すのが広告デザイン関係の啓発本の読み方といえます。 

その企画、もっと面白くできますよ。

その企画、もっと面白くできますよ。

 

 

カレーが人気の夏が好き

雑誌コーナーを眺めると、カレーを全面に押し出した表紙が目にとまります。

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猛暑の夏には、辛いカレーをモリモリ食べて、ガーッと汗を流せば爽快かつ夏バテ知らず、というわけです。

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香辛料をチョイスして、具材を上手に替えることで全く違った味わいを作ることができるのがカレーの魅力。誰も知らない、食べたことがないカレーだって作り出すことができるかも知れません。

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7月末に放送が終了した番組のテキスト本も、放送が終わった今でも買い求めに来店されるお客さんがいます。2月と8月は本が一番売れなくなる時期ではありますが、カレー本が店頭にぴりっとした喝を入れてくれるかも知れません。

 

東京ウォーカー2017年8月号

東京ウォーカー2017年8月号

 
Pen(ペン) 2017年 8/15号 [365日 カレー天国]

Pen(ペン) 2017年 8/15号 [365日 カレー天国]

 
POPEYE(ポパイ) 2017年 8月号 [なんでこんなにカレーが好きなんだろう。]
 
スパイスでおいしくヘルシー もっとディープに! カレーの世界 (趣味どきっ!)

スパイスでおいしくヘルシー もっとディープに! カレーの世界 (趣味どきっ!)