「「変」なクラスが世界を変える! - ぬまっち先生と6年1組の挑戦」沼田晶弘 著(中央公論新社)
教育界のみならずビジネス界からも注目されている小学校教諭、「ぬまっち」。子どもの「自ら成長する力」を引き出すユニークな教育は、掃除の時にダンスしたり、「夢」の卒業遠足を実現させたり、子どもが先生の代わりに教えたりと、一風変わったものばかり。型破りな教室で、子どもたちは自己肯定感を高め、自らチャレンジする力を育てていく…そんな「世界一のクラス」の奇跡の成長物語。
ぬまっち(沼田 晶弘)@小学校教諭 (@88834) | Twitter
2012年8月28日の中教審(文部科学省中央教育審議会)の答申で注目を集めたのが「アクティブ・ラーニング」という考え方です。
「従来のような知識の伝達・注入を中心とした授業から、教員と学生が意思疎通を図りつつ、一緒になって切磋琢磨し、相互に刺激を与えながら知的に成長する場を創り、学生が主体的に問題を発見し解を見いだしていく能動的学修(アクティブ・ラーニング)への転換が必要である」
平たく言えば「受け身の学び」から「自発の学び」への転換です。私も二十歳を過ぎた学生さん相手に実技実習した時、学生さんたちの態度から「待ちの姿勢」を感じました。失敗してもかまわないからとにかくやってみる学生はなかなか出てきませんでした。
高度成長期をモデルとして形作られたわが国の教育は、知識量の重視だったといえます。しかし、情報が国境を越える現代では、グーグルやアマゾン、フェイスブックを見ればなんとなくわかるように、知識量で勝負する勤勉実直型ではたち行かなくなっています。
そこで登場したのが能動的に学ぶ「アクティブ・ラーニング」という考え方だったのです。本書を浅く読むと、掃除の時にダンスしたり、「夢」の卒業遠足を実現させたり、子どもが先生の代わりに教えたりと、金八先生のような熱血教師の変な授業が印象に残ります。本質はかなり深い構造改革のモデルケースであり、グローバル化する世界への対応策として解釈すると世界が違った景色に見え始めます。