「日本の分断 切り離される非大卒若者」吉川徹 著(光文社)
大卒層と非大卒層の分断は深刻です。
計量社会学者である著者は、非大卒若者はレッグスと呼び、その生活や存在、さらには生きる希望を考えていくことが必要だと提言しています。
同じ国に暮らしていても学歴や収入の違いが生み出す格差は広がり続けています。
一方の側から他方の暮らしは外見でしか見えません。
相手の実態が見えない社会とは何か。
日本ではまだ想像できない社会ですが、格差社会が存在する海外の例を見るとその様子がわかります
フレディ・みかこさんの著書「子どもたちの階級闘争――ブロークン・ブリテンの無料託児所から」によると、イギリスでは上流階級と労働者階級は互いの会話が通じないほど社会の分断がすすむさまが報告されています。
同世代の5割を占め、日本社会の底堅さを支える非大卒若者(レッグス)を社会の宝と捉え、配慮と共生を図ることの重要性を訴える。
という著者の主張は看過するわけにはいきません。