読売巨人、清原和博、高木京介、野球賭博、渡邊恒雄辞任・・・かつての栄光は今や地に落ちたものです。おごれる者は久しからず。世の中の動きに敏感なのも放送局の本屋の特徴でしょうか。面陳の棚の本が入れ替わっています。「配本されてきた箱の中に、たまたま入っていただけです」と書店員はいいますが、スポーツ関係の棚に刺さっていたのを覚えています。人々が関心を持つ瞬間にさりげなく、人が興味をそそる本を並べるのも書店員の腕です。雑談している間にこの本、売れてしまいました。
「黒い人脈と野球選手」夏原武*1 著(宝島社)
元巨人・福田投手に端を発した野球賭博関与が「第2の黒い霧事件か?」と球界に激震を走らせました。なぜ、野球選手、しかも現役選手が野球賭博に手を染めるのか。その裏社会とのかかわりと、賭博の実態を多くの関係者からの取材で明らかにした一冊です。
著者はルポライター。腕一本でこの世界を生きていく仕事人です。ツイッターを読み始めたら面白い。いくつもの現場をかいくぐってきた熱気があります。
「ジャイアンツのレギュラークラスのやつが、闇カジノで移っちゃってるんですよ。それがZなんですよ」(愛甲猛さんのインタビュー、拙著より)つまりは、Zまで行ったらアウトってことです。はい。
「力」はそれがどんな種類のものであっても、匂わせている時が最も効果と威力を発揮し、行使した途端にその大半を失ってしまう。