本屋は燃えているか

ブックストアの定点観測

週間ベスト10

新書部門のランキングです。 

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横浜・有隣堂伊勢佐木町本店調べ(8月28日~9月3日)

 

1「鋼のメンタル」百田尚樹 著(新潮社)

ベストセラー作家が初めて明かす、最強のメンタルコントロール術! 

鋼のメンタル (新潮新書)

鋼のメンタル (新潮新書)

 

 気がつけば「裸の王様」でしかない著者が『鋼のメンタル』だなんて世間からすれば「お前が言うか?」というような与太話がたくさん並んでいます。「人の振り見て我が振り直せ」とは至言です。

2「イギリス解体、EU崩落、ロシア台頭」岡部伸 著(PHP研究所

EU離脱派のオピニオンリーダーボリス・ジョンソン氏にとって、国民投票の結果は実は誤算だったという。彼には「僅差で敗北して存在感を高める」という思惑があったとされる。そんな離脱派の扇動により、英国の未来は変わった。残留派が6割を占めたスコットランドには、英国からの独立を問う住民投票を行う意向もあり、連合王国解体の危機だ。そしてこの騒動で高笑いをしているのがロシア。ウクライナ問題に伴う、EUによるロシア封じ込めが困難になるからだ。そればかりかロシアがEU離脱プロパガンダを行なった可能性すら指摘されている。老大国の激震を、現地記者が緊急報告! 

イギリス解体、EU崩落、ロシア台頭 (PHP新書)

イギリス解体、EU崩落、ロシア台頭 (PHP新書)

 

 

3「アメリカはなぜ日本を見下すのか? - 間違いだらけの「対日歴史観」を正す」ジェイソン・モーガン

米国歴史学会を痛烈に批判し話題となった
新進気鋭の米国人歴史学者、初の著書! 

 

4「70歳! 人と社会の老いの作法」五木寛之釈徹宗 著(文藝春秋

戦後70年を迎え、団塊世代も70代に入った日本。
成長期を終えたこの国で納得のいく最期を迎えるために。
敗戦を経験した作家と注目の僧侶による老いと死をめぐる対話。 

70歳! 人と社会の老いの作法 (文春新書)
 

 

5「永六輔の伝言 僕が愛した「芸と反骨」」矢崎泰久 著(集英社

中学生のときにラジオ番組に投稿を始め、放送作家への道を歩み始めた永六輔は、やがて戦後放送文化のトップランナーとして新しい時代の価値を次々と生み出していく。その道程で出会い、学び、繋ぎ、そして見送ってきた多くの先輩や仲間たち。渥美清三木鶏郎小沢昭一野坂昭如中村八大いずみたく三國連太郎美空ひばり井上ひさし…皆に共通していたのは、自由と平和への希求、そして反骨の心意気だった。半世紀にわたり永に伴走してきた盟友・矢崎泰久が、本人に成り代わって活写した、永六輔と彼らの熱い交わり。それは、不透明な時代を生きる私たちに知恵と勇気をくれる「昭和からの伝言」である。 

 約5年間にわたる連載を長年の親友である編者がまとめて8月に刊行。

6「武器輸出と日本企業」望月衣塑子 著(KADOKAWA/角川書店

武器輸出三原則が事実上の撤廃となった。防衛省は防衛装備庁を発足させ、資金援助や法改正の検討など、前のめりに突き進む。一方で、防衛企業の足並みはそろわない。なぜか?三菱重工川崎重工など大手に加え、傘下の企業、研究者などに徹底取材。解禁後の混乱が明かされる。 

武器輸出と日本企業 (角川新書)

武器輸出と日本企業 (角川新書)

 

 

tanazashi.hatenablog.com 

 

7「言ってはいけない 残酷すぎる真実」橘玲 著(新潮社)

口には出せない「不愉快な現実」を今こそ直視せよ!

8「キリンビール高知支店の奇跡 勝利の法則は現場で拾え!」田村潤 著(講談社

高知発、東海、そして全国へ!!地方のダメ支店からの逆転力。アサヒスーパードライから首位を奪回せよ!フツーの営業マンが掴み取った、営業の極意。

9「沿線格差 首都圏鉄道路線の知られざる通信簿」首都圏鉄道路線研究会 著(SBクリエイティブ)

主要ターミナル駅から、郊外に向けて放射線状に伸びていく鉄道路線
私たちが毎日通勤の手段として活用しているこれらの各路線に固有のイメージ、
路線間のヒエラルキー(序列)はどのようにして誕生したのか?
各路線を通信簿でシビアに採点すると共に、哀しくも可笑しい「沿線格差」を愉しみつくす!
◆「勝ち組10路線」と「負け組8路線」を発表!
見栄っ張り度№1 ⇒東急田園都市線
自虐度№1 ⇒東武東上線
意外にも実力度№1 ⇒京急本線
住みたい街充実度№1 ⇒中央線
――各路線の噂(都市伝説?)やイメージを徹底検証! 

沿線格差 首都圏鉄道路線の知られざる通信簿 (SB新書)

沿線格差 首都圏鉄道路線の知られざる通信簿 (SB新書)

 

鉄道ファンが書いた本なのではなく、鉄道ファンから金をとろうとして作られた本 

10「人口と日本経済 - 長寿、イノベーション、経済成長」吉川洋*1 著(中央公論新社

 人口減少が進み、働き手が減っていく日本。財政赤字は拡大の一途をたどり、地方は「消滅」の危機にある。もはや衰退は不可避ではないか―。そんな思い込みに対し、長く人口問題と格闘してきた経済学は「否」と答える。経済成長の鍵を握るのはイノベーションであり、日本が世界有数の長寿国であることこそチャンスなのだ。日本に蔓延する「人口減少ペシミズム(悲観論)」を排し、日本経済の本当の課題に迫る。 

 

*1:経済学者。東京大学名誉教授、立正大学教授。専攻はマクロ経済学、日本経済論。Ph.D.(イェール大学、1978年)。 2010年には紫綬褒章を受賞した。日本経済学会2002年度会長