2016私の三冊
- 1「「病は気から」を科学する」ジョー・マーチャント 著(講談社)
- 2「ピカソになりきった男」ギィ・リブ 著(キノブックス)
- 3「ルシアン・フロイドとの朝食――描かれた人生」ジョーディ・グレッグ 著(みすず書房)
1「「病は気から」を科学する」ジョー・マーチャント 著(講談社)
科学も心も、万能ではない。過敏性腸症候群、がん、うつ、自己免疫疾患、分娩―。最新医療における「心の役割」を緻密な取材をもとに検証。イギリスの気鋭科学ジャーナリストによる知的興奮のノンフィクション!
執着から離れることと執着することとの両方に治癒力があるという、実におかしな話だ。
2「ピカソになりきった男」ギィ・リブ 著(キノブックス)
「その朝、俺はピカソだった」
ピカソ、シャガール、マティス、ルノワール、ダリ、モディリアーニ...
30年にわたり巨匠の贋作を描き続けた男の“痛快"自伝
複製ではなく作風をコピーして新たな作品をつくりあげた驚愕の才能
■どうして贋作は出回るのか? 鑑定書つきの贋作って? アート市場のからくり
■天才贋作画家の栄華と転落
■オークションハウス、ギャラリストなどすべて実名で描かれる
など、美術ファン必見の読みどころも多数!
贋作それ自体は別に悪いことではない。ただし作品を売らなきゃね。また署名をすれば合法でOK。実に魅力的だ。引用。剽窃でもOK。
3「ルシアン・フロイドとの朝食――描かれた人生」ジョーディ・グレッグ 著(みすず書房)
肖像画、というには剥き出しすぎる人間の姿を描きつづけたこの画家は、いったいなにに囚われていたのか?青年のとき一枚の絵に出くわして以来、フロイドを追いかけてきたイギリス人ジャーナリストが、本人との会話や彼を知る身近な人々(家族、友人、モデル、美術関係者…)への取材をもとにあらわす、初めて公刊されたルシアン・フロイド伝。
画家ルシアンの人生の価値は創造のプロセス同様、不完全性にある。だから不完全人間の魅力に惹かれる。