「アニメ 攻殻機動隊 名言集」(講談社)
草薙素子の"あら。そう?"から始まるファン待望の名言集。
構成は"人生論"から始まり、"内省・情動・哀愁"、"組織論"、"希望・それぞれの未来へ"の4章になっています。
攻殻機動隊の名言を広く知らしめたのがこのシーン。
原作のコミックが持つ味わいを残しつつ、押井守監督が描いたラストシーンです。
主人公が語る「ネットは広大だわ」という言葉は、若年層が中心だったアニメの視聴者層を拡大し、年代を超えてファンの心を掴みました。
公開当時はスマホも普及していない時代で、今のようなネット社会が形作られる前でした。
ネットの先に無限の可能性がある。
人間の意識というものも広大なネットの中で永遠に生き続けることができるのではないか。
そう考えた人も少なくなかったと思います。
観る者に強力な世界観を提示するのがこの映画の魅力です。
私の好きなのが
「孤独に歩め。悪をなさず、求めるところは少なく。林の中の象のように。」(イノセンス)。
もともと仏陀の言葉。「真理のことば」【第二三章 象 】が出典です。
「聡明な伴侶を得られるのなら共に歩め。聡明な人と歩めないのなら一人歩め。愚かなものを道連れとするな。孤独に歩め、悪を為さず。求めるところは少なく、林の中の像のように」
シーン中では省略された前段を読むと、
また違った世界観が広がってくるところに映画の深みを感じます。