本屋は燃えているか

ブックストアの定点観測

人類はなぜ肉食をやめられないのか: 250万年の愛と妄想のはてに

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「人類はなぜ肉食をやめられないのか: 250万年の愛と妄想のはてに」マルタ・ザラスカ 著(インターシフト) 

急速に肉食化が進むアジア、
食肉が足りなくなり、環境も悪化する地球の近未来。

人類の肉への愛と妄想は、はたしてとめられるのか?
本書は、新たな食スタイルによる、栄養ステージの転換を提唱する。

 

 

人類はなぜ肉食をやめられないのか: 250万年の愛と妄想のはてに

人類はなぜ肉食をやめられないのか: 250万年の愛と妄想のはてに

 

 

パリマダム グレイヘア スタイル

web上で密かな話題となっていると聞いて、発注をかけたのがこの本。

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「パリマダム グレイヘア スタイル」主婦の友社

年を重ねると共に増える白髪の悩み。本当は染めたくないけれど、老けて見られるのがイヤでしぶしぶ染めているという女性が大半だ。

グレイヘアで魅力的な自分スタイルを完成させているパリマダムたち37人を取材。
生き生きとしたマダムたちの姿に目が奪われる。
また、グレイヘアにした理由、お気に入りのヘアスタイル、グレイヘアを美しく保つヘアケアのコツ、
グレイヘアを素敵に見せるファッションテクニックなどをインタビュー。
さらにはグレイヘアをより魅力的に見せる凛とした生きかたも紹介。

素敵なマダムを目指す人、必携の一冊。

女性の管理職が増えてきた今日この頃。客注されるファッション誌も一般書店とやや違うものが売れているようです。最近聞くのが白髪の悩みだそうで、ニュースを聞いて納得しました。

 【1日・短期講座】「51」グレイヘアアレンジ 白髪を染める選択を止めて素敵に変身| | 三越オンラインストア

http://grayhair.tokyo/wp-content/uploads/2017/05/%E7%84%A1%E9%A1%8C-1.jpg

2017年5月30日、日本橋三越本店三越カルチャーサロンで「グレイヘアアレンジ 白髪を染める選択を止めて素敵に変身」講座が開かれた。講師:石田純子(スタイリスト)

この日、集まったのは40~70代の女性60名余り。このテーマでの開講は初めてだというが、予定人数を超える大盛況だった。

白髪イベントありますよ〜 | Gray-hair tokyo

素敵なグレイヘアを目指す人がお手本にしたい女性、といえばやはりパリマダム。パリのグレイヘアマダムたちに取材した本に人気が集まるのも頷けます。少し多めに注文して様子を見ます。

パリマダム グレイヘア スタイル

パリマダム グレイヘア スタイル

 

 

柴犬だいふく登場

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「柴犬だいふく」後藤隆之介 著(扶桑社)

インスタグラムで毎日1万“いいね! "がつく柴犬界期待のふわもこ男子、待望の初写真集

インスタグラムで25万人以上のフォロワーを誇る人気の柴犬「だいふく」が、満を持して初のフォトブックを発売。インスタ未公開カットも満載です。笑いあり、モフあり、癒やしあり。“福を招く柴犬"だいふくのキュートな表情を、たっぷり詰め込みました。ネット上でも話題を集めた「ホットドッグ」姿や、おもちゃをくわえる得意のポーズも多数披露!

最近急増中のわが家のペット自慢写真集。一流カメラマンの作品集や風景写真集を惜しのけるように続々登場しています。サイトである程度客が付いたところで出版化する方程式ができあがっているようです。ペットの何気ない仕草が、ファンの琴線にふれるのでしょう。インスタグラムだけでなくアメーバブログでも見ることができます。

 柴犬だいふくオフィシャルブログ「読む だいふく ちゃんねる」Powered by Ameba

 

【Amazon.co.jp限定】オリジナルシール付 柴犬だいふく

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MEGA-SHIP 日本の現場「造船篇」

設定資料として必携の写真集です。

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「MEGA-SHIP 日本の現場「造船篇」」西澤丞 著(太田出版

人類最大級の建造物が、ひとの手でつくられる。その全過程。立ち入り困難な造船所の内部を徹底網羅した写真集。 

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近未来のディストピアを描きたい漫画家さん必携の"設定資料用写真集"。「日本の現場」をテーマに、製鉄所や首都高山手トンネルなど、一般の方では立ち入り困難な場所の撮影に長年携わってきた写真家・西澤丞さんの最新刊です。

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MEGA-SHIP (日本の現場「造船篇」)

MEGA-SHIP (日本の現場「造船篇」)

 

造船の現場は危険と隣り合わせです。鉄壁で密閉されたよどんだ空気。昼は灼熱。夜は極寒の過酷な現場。飛び交う溶接の火花。宙を飛ぶクレーンの唸り。ヘルメットや安全靴などの安全対策をした上でないと現場見学すら許されません。立ち入り禁止の中に入ることが許されるのは、現場作業員並の高度な知識と経験がなせる技なのです。

立ち入り禁止の場所を撮り続けてきた西澤さんは、その動機を「単なる野次馬根性で観に行っているのではない」といいます。

https://www.konicaminolta.jp/plaza/schedule/2016march/do_not_enter/img/img_01.jpg

科学や工業などは、人々の暮らしを支える大切なものであるにもかかわらず立入禁止であるために、その実態を知る機会は、ほとんどありませんでした。一方で、現実がどうなっているのかを知らずに物事を判断することは、間違った未来を選択してしまう可能性が高くなり非常に危険です。

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写真を見て感じるのは、装置が装置として機能するために作り上げた冷たい秩序の姿です。人間はその秩序の前に異物としてしか見えません。本来は人間のために存在するべき装置がここでは主客逆転しているのです。

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写真家の西澤丞さんによる写真集『MEGA-SHIP 日本の現場「造船篇」』の刊行を記念して、トークショーが東京・青山の青山ブックセンターで開催されます。現代社会の秘境ともいえる現場の撮影秘話を聴けるチャンスです。

 「立ち入り禁止の向こう側を撮る」 西澤丞 トークイベント | 青山ブックセンター

週間ベスト10 2017.06.13

ランキングです

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東京堂書店神田神保町店調べ(6月13日)

 

1「デザインのひきだし31」グラフィック社編集部 著(グラフィック社)

魅力があり、訴求力抜群のノベルティグッズ・オリジナルグッズをつくるためのガイドブック決定版!

デザインのひきだし31

デザインのひきだし31

 

 

 

2「写真で伝える仕事 -世界の子どもたちと向き合って」著(日本写真企画)

「世界をもっと、優しい場所にしていくために」私たちには何ができるのだろう。「写真で伝える仕事」をするうえで大切にしていることから、世界各地で出会った子どもたちとの物語、そして、これからの時代を生きる中学生、高校生へ。世界は決して、悲しみや苦しみだけでできているわけではない。若きフォトジャーナリストから未来に向けたメッセージ。 

写真で伝える仕事 -世界の子どもたちと向き合って-

写真で伝える仕事 -世界の子どもたちと向き合って-

 

 

3「良い写真とは? 撮る人が心に刻む108のことば」ハービー・山口 著(スペースシャワーネットワーク) 

写真が好きな人からプロ志向の人まで、簡潔なことばで心に響くとっておきの108のヒントがあなたの写真を輝かせます。
あの名作写真はもちろん、未発表写真も多数掲載。

 

 

4「老い荷風川本三郎 著(白水社) 

『濹東綺譚』以降の第二次大戦前後、世相の混乱期に直面した60~70代を丹念に検証しながら、諸作品や人間関係を中心に新たな荷風像に迫る力作。

老いの荷風

老いの荷風

 

 

5「カストロの尻」金井美恵子 著(新潮社)

常に密やかに、優雅に、挑戦し続けてきた作家の言葉が、無数の映像や小説、夢や記憶の断片と共に繊細に紡がれ、誰も読んだことのない、前代未聞の物語として誕生した!二つの批評的エッセイに縁取られ、六つのフォト・コラージュに彩られた小説群。

カストロの尻

カストロの尻

 

 

6「「男はつらいよ」を旅する」川本三郎 著(新潮社)

西行種田山頭火のように放浪者であり、鴨長明や尾崎放哉や永井荷風のように単独者であった車寅次郎。すぐ恋に落ち、奮闘努力するもズッコケ続きで、高倉健の演じる役とは対照的な男―。なぜ、彼はかくも日本人を惹きつけるのか?リアルタイムで「男はつらいよ」全作品を見続けた著者もまた旅に出て、現代ニッポンのすみずみで見つけたものとは。寅さんの跡を辿って“失われた日本”を描き出すシネマ紀行文。

「男はつらいよ」を旅する (新潮選書)

「男はつらいよ」を旅する (新潮選書)

 

 

7「P+D BOOKS 小説 阿佐田哲也色川武大 著(小学館

「奴とは、ばくち打ちであり、ばくち打ちの奥に至らんと五十年もすごしてきたような、顔をしている人物である」―色川武大は“阿佐田哲也”を冒頭でこう評している。阿佐田哲也なるばくち打ちは『麻雀放浪記』を書き、麻雀新撰組などを結成して世間を煙に巻いた。色川武大名義では『離婚』で直木賞を受賞した作家が、虚にして実、実にして虚の“阿佐田哲也”の素顔に迫った異色作。

P+D BOOKS 小説 阿佐田哲也

P+D BOOKS 小説 阿佐田哲也

 

 

8「わがクラシック・スターたち 本音を申せば」小林信彦 著(文藝春秋

すぐれた人々が、なぜすぐれているか―若い人はもう知らない。いま見ても輝いている名優たち。テレビやラジオを盛んにした昭和30年代の良き友人たち。とっておきのエピソードで綴った2016年のクロニクル。「週刊文春」好評連載単行本化第19弾。

わがクラシック・スターたち 本音を申せば

わがクラシック・スターたち 本音を申せば

 

 

9「捨てられないTシャツ」都築響一 著(筑摩書房

あなたにも〈捨てられないTシャツ〉ありませんか? あるある! と思い浮かんだあなたも、あるかなあと思ったあなたにも読んでほしい。読めば誰もが心に思い当たる「なんだか捨てられないTシャツ」を70枚集めました。そのTシャツと写真に持ち主のエピソードを添えた、今一番おシャレでイケてる(?)“Tシャツ・カタログ"であるとともに、Tシャツという現代の〈戦闘服〉をめぐる“ファッション・ノンフィクション"でもある最強の1冊。 70名それぞれのTシャツにまつわるエピソードは、時に爆笑あり、涙あり、ものすんごーい共感あり……読み出したら止まらない面白さです。

捨てられないTシャツ (単行本)

捨てられないTシャツ (単行本)

 

 

10「だめだし日本語論」橋本治橋爪大三郎 著(太田出版) 

 

日本語は、そもそも文字を持たなかった日本人が、いい加減に漢字を使うところから始まった―—
成り行き任せ、混沌だらけの日本語の謎に挑みながら、日本人の本質にまで迫る。あっけに取られるほど手ごわくて、面白い日本語論。

だめだし日本語論 (atプラス叢書17)
 

 

 

介護破産 離職は最悪の選択

介護は人ごとではなく、明日はわが身の問題です。必要なのは資金計画を見直す勇気です。

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「介護破産」結城康博、村田くみ 著(KADOKAWA

長寿は「悪夢」なのか!? 介護によって始まる老後貧困の衝撃!

高齢者一人の介護に必要な金額をご存知でしょうか?

諸々の費用と平均介護期間から計算すると、
その額は546万1000円になるとのことです。

もちろん、これに日々の生活費が加算されますが、この金額は高いと思われるでしょうか、それとも安いと思われるでしょうか?

介護のために資産を失う「介護破産」が最近話題となっています。
実は介護破産の原因には、単に資産の多寡だけでなく、介護に関する「情報量」も大きく関わってくるのです。

そのため、「546万1000円」という金額を安いと感じた人も、決して、介護破産と無縁ではありません。

高齢者およびその子どもである現役世代は皆、「介護破産」と無関係どころか、いつの日か、確実にその当事者になることを覚悟しなければならないのです。

本書では現在介護生活を送っている人々の生の声をルポしつつ、介護をするにあたり知っておきたいお金のこと、法律面のことなどに言及。

介護で将来破綻するような悲劇を防ぐための方法論を記した一冊です。


【目次】
第1章 崖っぷちの日本の高齢者たち (村田くみ)
第2章 働き盛りを襲う「介護離職」 (村田くみ)
第3章 介護にはいくらかかるのか? (結城康博)
第4章 認知症トラブルと家族の責任 (村田くみ)
第5章 厳しさを増す介護をめぐる制度 (結城康博)
第6章 「介護破産」は避けられる (結城康博)

自分の親と、連れ合いの親のダブル介護に迫られて離職することになった先輩がいます。話を聞くと自分の老後にもつながる話なのですが、"老後の沙汰も金次第"という気持ちがしてなりません。健康な毎日が過ごせるならば年金でカツカツ生活してゆけますが、買い物などのライフラインが自宅から離れている人や、健康を害したり、認知になったりしたら お手上げです。しかし、年金の仕組みや介護の仕組みは初心者にはわかりにくく作られているため、ざっくりどれだけ必要なのか知りたくなったら、専門家に聞くしかありません。

離職は最悪の選択という指摘は正鵠を得たアドバイスです。判断に迫られる局面を迎える前に、一刻も早く資金計画を立てることが必要であることが解ります。社会制度がウンチな今の現状では、早めに着手することが最善の予防策のような気がしてなりません。 

介護破産 働きながら介護を続ける方法

介護破産 働きながら介護を続ける方法

 

 

 

池上冬樹さんが薦める文庫 2017.06.11

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スペードの3朝井リョウ 著(講談社) 

ミュージカル女優、つかさのファンクラブを束ねる美知代。小学校の同級生の出現によって美知代の立場は危うくなっていく。美知代を脅かす彼女には、ある目的があった。つかさにあこがれを抱く、地味で冴えないむつ美。かつて人気を誇っていたが、最近ではオファーが減る一方のつかさ。それぞれに不満を抱えた三人の人生が交差し、動き出す。私の人生は私だけのもの。直木賞作家朝井リョウが、初めて社会人を主人公に描く野心作!

スペードの3 (講談社文庫)

スペードの3 (講談社文庫)

 

さり気なく巧みに時系列を変え、ピースを組み合わせるかのようにして場面を鮮やかに印象づける。女たちの屈折した自意識と見栄と欲望が原まりあう予想外の展開も見事だ。  

「色いろ花骨牌」黒鉄ヒロシ 著(小学館

四十数年前、赤坂に「乃なみ」という旅館があった。そこに夜な夜なメンバーが集まり、始まるのは、麻雀、花札、カード。だが中心はあくまでも座談の楽しさにあった。吉行淳之介さん曰く、「ま、気取って言えばサロンのようなものですな」。高名な作家・俳優・芸術家たちの中に、ある日、まだ二十代の青年が加わった。今は亡き、個性溢れる人々との交流を生き生きと描いた超面白エッセイ集。主役は九人。吉行淳之介阿佐田哲也尾上辰之助(初代)・芦田伸介園山俊二柴田錬三郎秋山庄太郎近藤啓太郎生島治郎、ほかに脇役たちも多士済済。交遊録の名品、初文庫化。

色いろ花骨牌 (小学館文庫)

色いろ花骨牌 (小学館文庫)

 

独特の距離のとり方が小説や演技、人生の陰影につながる。包容力豊かなユーモアがいい。

 

「その犬の歩むところ」ボストン・テラン 著(文藝春秋

ギヴ。それがその犬の名だ。彼は檻を食い破り、傷だらけで、たったひとり山道を歩いていた。彼はどこから来たのか。何を見てきたのか…。この世界の罪と悲しみに立ち向かった男たち女たちと、そこに静かに寄り添っていた気高い犬の物語。『音もなく少女は』『神は銃弾』の名匠が犬への愛をこめて描く唯一無二の長編小説。

その犬の歩むところ (文春文庫)

その犬の歩むところ (文春文庫)

 

相変わらずテランの文章は指摘で力強く、読む者の心を何度も揺さぶる・必読の傑作。