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120年前に建てられたビルを改装して営業中の東京堂書店。神保町にあるこの書店に行ってきたことを書店員に話したところ、書店関係者にとっては別格扱いの店のようです。
「かなり昔、大手書店の営業担当に、東京堂の売れ筋とこの書店の売れ筋がよく似ていると言われた」とまんざらでもない返事が返ってきました。
出版社が立ち並ぶ神田の中心で営業を続けてきた東京堂は、戦前は手広く取次の仕事も担ってきた書店です。情報を伝達する元締めともいえる書店には、当時のマスコミ関係者も大勢出入りしたことが想像に難くありません。
東京堂で売れている本はおそらく放送局の読者層と重なる部分もあるのでしょう。非常に参考になると書店員は語っていました。
重なる読者層の中で、少しだけ違う点もあります。それは2位と3位の出版関係の本です。この手の本が店のベストセラー上位を飾る点に出版社の集まる神田の特殊性を感じます。
- 1「ロックの英詞を読む──世界を変える歌」ピーター・バラカン 著(集英社インターナショナル)
- 2「まっ直ぐに本を売る―ラディカルな出版「直取引」の方法」石橋毅史*1 著(苦楽堂)
- 3「HAB本と流通」エイチアンドエスカンパニー
- 4「映画を撮りながら考えたこと」是枝裕和 著(ミシマ社)
- 5「須賀敦子の手紙 1975―1997年 友人への55通」須賀敦子 著(つるとはな)
- 6「屍の記録 (ミステリ珍本全集12) 」鷲尾三郎 著(戎光祥出版)
- 7「三の隣は五号室」長嶋有 著(中央公論新社)
- 8「1974年のサマークリスマス 林美雄とパックインミュージックの時代」柳澤健 著(集英社)
- 9「風狂 虎の巻」由良君美(青土社)
- 10「日本会議とは何か: 「憲法改正」に突き進むカルト集団」上杉聰 著(合同出版)
1「ロックの英詞を読む──世界を変える歌」ピーター・バラカン 著(集英社インターナショナル)
音楽には世界を変える力がある――ジョン・レノン、スティーヴィー・ワンダー、ビリー・ホリデイの名曲に隠された真の意味とは?ブロードキャスターとしてラジオ、テレビなどで幅広く活躍しているピーター・バラカンが、ロック、ソウル、ブルースの英詞を新訳。行間に隠されたメッセージにせまる。
2「まっ直ぐに本を売る―ラディカルな出版「直取引」の方法」石橋毅史*1 著(苦楽堂)
書店の利益を増やす。書店が求める冊数を、即日出荷する。返品率は10%台―。尖鋭にして根源的な本の売り方「直取引(トランスビュー方式)」のすべてを解剖する。
まっ直ぐに本を売る [ 石橋毅史 ]
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3「HAB本と流通」エイチアンドエスカンパニー
Human And Bookstore=HABは新しい本を作り、流通させ販売し、そしてまた新しい本を作る。そのシンプルなサイクルを、時代に合わせながら、全力で回転させていくプロジェクトです。サイクルの原点に立ち戻り、出版、流通、本屋という三者の立場を実践しながら、未来の本を創ってゆきます。
H.A.B - H.A.Bookstore-本屋/取次/出版
4「映画を撮りながら考えたこと」是枝裕和 著(ミシマ社)
『誰も知らない』『そして父になる』『海街diary』『海よりもまだ深く』…
全作品を振り返り、探った、
「この時代に表現しつづける」
その方法と技術、困難、そして可能性。
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5「須賀敦子の手紙 1975―1997年 友人への55通」須賀敦子 著(つるとはな)
雑誌「つるとはな」で大きな話題となった未公開書簡の完全収録版。
ようやくわが書店に品物がとどきました。須賀敦子(1929-1998)のエッセイは朝露のように透明で、そして完成度が高いところが気に入っています。肉筆をまとめた本が出ると聞いたので期待していました。書店員が平台に積み上げたところをみはからって一部購入。ページを開くと期待通りの映像に出会えました。
73年大橋須磨子に宛てた航空便。写真は久家靖秀。あたかも受け取った手紙を手にとって読んでいるような気持ちになります。読みやすい手書きの文字が乱れることなく枠内に収まっているのが圧巻です。瑞々しい万年筆のインクの青が新鮮です。
6「屍の記録 (ミステリ珍本全集12) 」鷲尾三郎 著(戎光祥出版)
明治・大正・昭和と代々の当主が失踪を遂げる京都伏見の造り酒屋に潜む悪意の罠! 狐の祟りとされる伝説に隠された真相とは? 鮎川哲也『黒いトランク』と13番目の椅子を争った幻の本格ミステリが、ついに復活します!
屍の記録 [ 鷲尾三郎 ]
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7「三の隣は五号室」長嶋有 著(中央公論新社)
傷心のOLがいた。秘密を抱えた男がいた。病を得た伴侶が、異国の者が、単身赴任者が、どら息子が、居候が、苦学生が、ここにいた。―そして全員が去った。それぞれの跡形を残して。
三の隣は五号室 [ 長嶋有 ]
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8「1974年のサマークリスマス 林美雄とパックインミュージックの時代」柳澤健 著(集英社)
1970年代、若者に絶大な人気を誇ったTBSの深夜ラジオ番組『パックインミュージック』。伝説のパーソナリティ・林美雄を軸に、有名無名の人間模様を描きながら70年代カルチャーの実相に迫る青春ノンフィクション。
9「風狂 虎の巻」由良君美(青土社)
博覧強記の英文学者・由良君美の文学・美術評論が待望の復刊。
風狂は、にんげんの深層にひそむ、<逸脱>への情熱である。
妖気の浮世絵師や狂想の作家たちをはじめ、
憑かれた夢の系譜をたどる、待望の一巻。
蕭白、若冲、芦雪などの江戸の画家から、
夢野久作、大泉黒石、坂口安吾、平井呈一などの文学者まで、
日本を代表する英文学者で
博識を誇る知の巨人による、百科全書的国文学論集。
風狂 虎の巻 [ 由良君美 ]
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10「日本会議とは何か: 「憲法改正」に突き進むカルト集団」上杉聰 著(合同出版)
本書は、安倍政権が頼りにする日本会議との関係を実態に即して紹介する。「憲法改正」を切り口に、彼らがめざす社会とはいったいどんな社会なのか、その論理、手法、政権との関係はいったいどうなっているのか、彼らの計画を可視化する。
日本会議とは何か [ 上杉聰 ]
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