「お金儲けは悪いことですか?」
2006年6月、ニッポン放送株をめぐるインサイダー取引を行った容疑で逮捕され、有罪判決を受けた村上ファンドの村上世彰氏。本書は、株の世界に復帰し動向が注目されている村上氏の、最初にして最後の著書で、半生記であり、投資理念の解説書でもある。灘高―東大法―通産省を歩んだエリートがなぜ投資の世界に飛び込み、いったい何を試みたのか。投資哲学、日本企業、日本の経営者たちへの見方とは。
「お金儲けは悪いことですか?」という問いかけに、大抵の人はこの質問に堂々と答えることができないと思います。貧困をどう考えるかという質問にもセットで答えなければならないからです。
ですから、利潤を追求することが目的の投資家からの多くは”本当のところ”をなかなか語ろうとしません。また、マスコミも「不正追求」というわかりやすい攻め口からしか糸口が見いだせないようにも思います。
目次を見ると、「お金儲けは悪いことですか?」という問いかけに対する著者のメッセージが伝わってきます。読者層の評価はおおむね好意的な受け止め方のようです。書評からはモヤモヤ感を感じていた読者が多かったことが読み取れます。
・村上氏がどのような狙いでどのような行動をとっていたかが詳細に語られている。
・村上氏の哲学、上場企業のあるべき姿に対す考えをを初めて明確に理解することができる。
・上場会社への株式投資が、利益追求だけではないコーポレート・ガバナンスへの氏の思いが、事例を通してひしひしと伝わってきます。
・不正をして逮捕された人というイメージだったが、社会人になり、この本を読んで印象が変わりました。