本屋は燃えているか

ブックストアの定点観測

週間ベスト10 2017.09.05

ランキングです。

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東京堂書店神田神保町店2017/9/5調べの週間ベストセラーです。

 

1「古典名作本の雑誌 別冊本の雑誌 ; 19」(本の雑誌社) 

読書の王道。一家に一冊永久保存版!

新刊・エンタメが中心だった「本の雑誌」が、ついに読書の王道に挑む?! 創刊42年、四十にして惑わずということで、読んだフリをしてきた(であろう)古典名作と真正面から向き合う別冊を刊行!

海外は、イギリス、フランス、ドイツなど国やエリア別に、国内は中古、中世、近世、明治など時代ごとに、そしてエンターテイメントは、ミステリ(国内/海外)、SF(国内/海外)、ノンフィクションなど25のジャンルにわけ、強力な評者の元、それぞれ約古典名作を20作ずつ紹介! 年表や座談会など読み物ページも充実。10代の若者から死ぬまでの読んでおきたいと読書回顧の人々まで、永遠不朽のブックガイドが誕生!

 

2「蔵書一代 : なぜ蔵書は増え、そして散逸するのか」紀田順一郎*1 著(松籟社

やむをえない事情から3万冊超の蔵書を手放した著者。自らの半身をもぎとられたような痛恨の蔵書処分を契機に、「蔵書とは何か」という命題に改めて取り組んだ。近代日本の出版史・読書文化を振り返りながら、「蔵書」の意義と可能性、その限界を探る。

3「すごいトシヨリBOOK : トシをとると楽しみがふえる」池内紀*2 著(毎日新聞出版

人生の楽しみは70歳からの「下り坂」にあり。ドイツ文学者の楽しく老いる極意。リタイア後を豊かに生きるヒント。

4「埴原一亟古本小説集」埴原一亟 著(夏葉社)

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natsuhasha.com

 

5「この世の春 1」宮部みゆき 著(新潮社)

それは死者たちの声?それとも心の扉が開く音?小説史に類を見ない息を呑む大仕掛け。21世紀最強のサイコ&ミステリー長編小説。

6「この世の春 2」宮部みゆき 著(新潮社)

7「売春島 「最後の桃源郷渡鹿野島ルポ」高木瑞穂*3 著(彩図社

“売春島"。
三重県志摩市東部の入り組んだ的矢湾に浮かぶ、人口わずか200人ほどの離島、周囲約7キロの小さな渡鹿野島を、人はそう呼ぶ。

4travel.jp


島内のあちこちに置屋が立ち並び、島民全ての生活が売春で成り立っているとされる、現代ニッポンの桃源郷だ。
この島にはまことしやかに囁かれるさまざまな噂がある。
「警察や取材者を遠ざけるため客は、みな監視されている」
「写真を取ることも許されない」
「島から泳いで逃げようとした売春婦がいる」
「内偵調査に訪れた警察官が、懐柔されて置屋のマスターになった」
「売春の実態を調べていた女性ライターが失踪した」
しかし、時代の流れに取り残されたこの島は現在疲弊し、凋落の一途を辿っている。
本書ではルポライターの著者が、島の歴史から売春産業の成り立ち、隆盛、そして衰退までを執念の取材によって解き明かしていく。
伝説の売春島はどのようにして生まれ、どのような歴史を歩んできたのか?
人身売買ブローカー、置屋経営者、売春婦、行政関係者などの当事者から伝説の真実が明かされる!

8「日本のテロ : 爆弾の時代60s−70s」栗原康*4 著(河出書房新社

爆弾闘争、内ゲバ、革命運動―あの時代の若者たちはなぜ過激な行動に向かったのか?政治と暴力と文学から考える。時代を知るためのブックガイド併録。

9「パルチザン伝説」 桐山襲*5 著(河出書房新社

アジアの犠牲の上に成り立つ平和と繁栄を破壊するため、僕と仲間たちはその象徴たる天皇の暗殺を企てたが、失敗に終わる。代わりに経済侵略の急先鋒だったM企業を爆破するが、その後の路線対立で僕はグループから離脱。ひとり爆弾闘争を続ける中で片手片目を失い、地下に潜行することに。沖縄の離島へ流れ着いた僕は、逃亡生活の直前に母から受け継いだ一通の手記から、謎の失踪を遂げた父の驚くべき来歴を知るのだが…。繋がっていく戦時中の父と、戦後を生きる自身の姿、そして浮かび上がる日本という国家のかたち―文学的想像力の奇蹟的な到達点を示す伝説の作品、ついに刊行!

10「もはや宇宙は迷宮の鏡のように」 荒巻義雄*6 著(彩流社

満84歳の新作書き下ろし。バニヤン著『天路歴程』、ダンテ著『神曲物語』を嗣ぐ、日本初長編書き下ろし死後文学。

*1:1935年横浜市に生まれる。慶應義塾大学経済学部卒業。書誌学、メディア論を専門とし、評論活動を行うほか、創作も手がける。『幻想と怪奇の時代』(松籟社)により、2008年度日本推理作家協会賞および神奈川文化賞(文学)を受賞

*2:1940年兵庫県姫路市生まれ。ドイツ文学者・エッセイスト。主な著書に『ゲーテさんこんばんは』(桑原武夫学芸賞)、『海山のあいだ』(講談社エッセイ賞)、『二列目の人生』、『恩地孝四郎』(読売文学賞)、『亡き人へのレクイエム』など

*3:ルポライター。風俗専門誌編集長、週刊誌記者などを経てフリーに。主に社会・風俗の犯罪事件を取材・執筆。著書に「サラリーマンより稼ぐ女子高生たち〜JKビジネスのすべて」(コアマガジン)、「風俗開業経営マニュアル〜極秘公開」

*4:1979年生まれ。政治学。2017年、池田晶子記念「わたくし、つまりNobody賞」を受賞

*5:1949年、東京都生まれ。83年「パルチザン伝説」でデビュー。92年、没

*6:1933年小樽市生まれ。早稲田大学で心理学、北海学園大学で土木・建築学を修める。日本SFの第一世代の主力作家の一人