「サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい 人生100年時代の個人M&A入門」三戸政和 著(講談社)
会社員生活を選ばずに、自分の能力で生計を立てる若い世代の活躍が目立ちます。
ということは、中高年だってまだまだやれるかも知れない時代かもしれません。
経済産業省によるとこの20年で中小企業の経営者の年齢分布は46歳から66歳へ高齢化しているといいます。オリンピックイヤーの2020年には数十万人とも言われる「団塊世代」の経営者が引退時期を迎えます。
東京商工リサーチによると後継者難などで毎年3万件の企業が休業や廃業、解散しています。
経営者が60歳以上で後継者が決まっていない中小企業は日本企業の三分の一にあたる127万社に達し、事業が続けられず廃業を余儀なくされる企業の半分は黒字企業なのだそうです。(朝日新聞2018年3月22日)
その実体に注目して、実力のある中高年サラリーマンを後継者予備軍として再活用しようというのがこの本の狙いです。
在職する会社では社長になれなかったけど、後継者難で困っている企業の手助けをして資本家になるという一石二鳥。
前途ある青少年ならともかく、一から勉強を始めるには時間の猶予が足りません。
大多数の中高年にしては夢は夢として置いておいた方が良さそうな本かも知れません。
ネットメディア「現代ビジネス」に「飲食店経営に手を出したら、その先には『地獄』が待っている」「60過ぎたら、退職金で会社を買いなさい」などをアップ、累計500万超のPVという記録を打ち立てた話題の記事の書籍化です。