本屋は燃えているか

ブックストアの定点観測

2017-01-01から1ヶ月間の記事一覧

街に出て、書店を見に行こう

// 1階は絵本など子ども向けの本などをそろえた書店。2階には世界のおもちゃを集めた玩具店の経営で知られるのが、東京・表参道のクレヨンハウスです。 主催するのは作家・落合恵子さん。おしゃれな土地で、女性や子ども連れの若い夫婦を中心に、優雅な商売…

Yahoo! JAPAN全仕事

今日 登場した本。 「Yahoo! JAPAN全仕事 現場200人に聞く、過去→現在→未来」(実業之日本社) 本書はYahoo! JAPAN20周年を記念した、現場200人のインタビュー集である。Yahoo! JAPANのサービスを支える人たちーー編集、企画、開発、デザイナー、広報、法務…

週間ベスト10

総合部門のランキングです。 ジュンク堂書店池袋本店調べ(1月1日~7日) // 1「サピエンス全史(上) 文明の構造と人類の幸福」ユヴァル・ノア・ハラリ 著(河出書房新社) 2「僕らが毎日やっている最強の読み方;新聞・雑誌・ネット・書籍から「知識と教…

東大VS京大 入試文芸頂上決戦

受験の時期を狙って出版?今日登場したのがこの本。 // 「東大VS京大 入試文芸頂上決戦」永江朗*1(原書房) 戦後教育がはじまった年から2016年春までの約70年分、東大と京大の国語入試問題を読んでみた。どんな文芸作品が選ばれるのか? 東大と京大の問題の…

ますむらひろしさんがひもとく宮沢賢治と東北

宮沢賢治さんは数多くの作家の心を捉え続けています。 // 伝説のコミック誌「ガロ」の時代から、独特の猫のキャラクターを主人公に、一貫して宮沢賢治の世界を作品化してきた漫画家がますむらひろしさんです。2016年12月04日の紙面に宮沢賢治に寄せる思いが…

ブルータスが推す 藤木TCDさんの四冊(BRUTUS「危険な読書」)

ブルータス「危険な読書」で紹介された5人目の危険な作家は、戦後の猥雑な残り香を辿って、都市に眠る危険な記憶を蘇らせる・・・ // 藤木TDCさん*1です。 「東京戦後地図 ヤミ市跡を歩く」藤木TDC 著(実業之日本社) 「昭和酒場を歩く―東京盛り場今…

週間ベスト10

ランキングです。 東京堂書店神田神保町店調べ(1月10日) // 1「気がついたらいつも本ばかり読んでいた 」岡崎武志 著(原書房) 2「コンビニ人間」村田沙耶香 著(文藝春秋) 3「神田・神保町+九段下 TOKYO GUIDEBOOK」(交通新聞社) …

まだまだ知らない夢の本屋ガイド

// 「まだまだ知らない夢の本屋ガイド」花田菜々子、北田 博充、綾女欣伸 編集(朝日出版社) 選んだ本をお持ちする相手がすでにこの世にいらっしゃらない。車内を覗くと一号車がまるごと本屋だった。作家名も誰一人として検索に引っかからなかった。店内の…

クローズアップ現代“この世界の片隅に”時代を超える平和への祈り

// キネ旬効果とでもいうのでしょうか、「この世界の片隅に」原作本がコミックコーナーを独占しています。立ち止まって手に取られる方も多く、補充も5冊は切らさずにしています。書架に上下3巻を揃えて面陳すると壮観です。 売れ続ける背景には放送の後押…

このマンガを読め!

カルチャー誌「フリースタイルVol.34」(フリースタイル)で、「THE BEST MANGA 2017 このマンガを読め!」が発表されました。2015年11月1日から2016年10月31日までに発表された日本国内のマンガ作品を対象に評論家や書店員、編集者などマンガの専門家49名が…

「声なき蝉」がベスト1に登場

文庫部門のベスト1位に躍り出たのがこの本。 // 「声なき蝉」佐伯泰英*1著(双葉社) 直心影流の達人坂崎磐音の嫡子空也は十六歳で武者修行の旅に出た。向かったのは他国者を受け入れない“異国”薩摩。そこに待ち受けるのは精霊棲まう山嶺と、国境を支配する…

日本最高峰のVFXクリエィター集団「白組読本」

今日再入荷したのがこの本 // 「白組読本」公野勉 著(風塵社) 「ALWAYS 三丁目の夕日」「STAND BY ME ドラえもん」などで知られるVFXの制作プロダクションが 創立40年を越えた株式会社白組です。 手描きのアニメーションから発し、CMを制作し、VFXのス…

中江有里さんが薦める3冊 2017.01.11

年間300冊の本を読む中江さんが、幅広いジャンルからご紹介します。 中江有里公式ホームページ // 「おばちゃんたちのいるところ Where the Wild Ladies Are」松田青子 著(中央公論新社) 「安吾のことば 「正直に生き抜く」ためのヒント」藤沢周 著(集…

「美術手帳」とこの世界の片隅に

1月17日(火)1月17日発売の「美術手帖」はアウトサイダーアート特集。 // 「美術手帖 2017年2月号」(美術手帳倶楽部) 特集 アウトサイダー・アート 境界線上のアーティストたち 近年、世界的に注目されるアウトサイダー・アートは、一般のアートとの境界…

五色の舟

コミックコーナーに推すべき本を必死になって追いかけている中、発見したのがこの一冊。 // 「五色の舟」近藤ようこ 著(KADOKAWA / エンターブレイン) 津原泰水の傑作幻想譚(たん)が、近藤ようこの手によって儚くも鮮烈にマンガ化された作品。先の見えな…

10代で読んでおきたい異常本(BRUTUS「危険な読書」)

世の中を秩序立てるあらゆる価値規範にカウンターをぶちかます「異常本」、酸いも甘いもかみ分けた通人の趣味と思いきや、そうした本は「若いうちに出会え」とはばからず語るのが荒俣宏さんと滝本誠さん。体験的読書体験の中から手に入りやすい本を選んで掲…

メディアで働く人をつなぐ、ビデオリサーチのSynapse

// 「Synapse」ビデオリサーチ メディアで働く人をつなぐ情報誌というか、同人誌にちかい内容の商業誌です。編集は視聴率調査で知られるビデオリサーチが担っていることから、テレビ局の人が多く登場しますが、広告関係までつながりは伸びています。書籍扱い…

週間ベスト10

文芸書部門のランキングです。 福岡・丸善博多店調べ(2016年12月24日~31日) // 1「ハリー・ポッターと呪いの子 第一部、第二部 特別リハーサル版」J.K.ローリング 著(静山社) 2「えんとつ町のプペル」にしのあきひろ 著(幻冬舎) 3「コンビニ人間」…

週間ベスト10

フィクション部門のランキングです。 八重洲ブックセンター本店調べ(12月25日~31日) // 1「えんとつ町のプペル」にしの あきひろ 著(幻冬舎) 2「三鬼 三島屋変調百物語四之続」宮部みゆき 著(日本経済新聞出版社) 3「四月になれば彼女は」川村元気…

大統領を操るバンカーたち

// 「大統領を操るバンカーたち」ノミ・プリンス*1 著(早川書房) 第一次世界大戦の前夜から現代にいたるまで、米国のエリート銀行家たちは、政策や法律を決定づけ、ホワイトハウスに人材を送り込んできた。その驚くべき癒着関係の実態とは? ゴールドマン・…

週間ベスト10

フィクション部門のランキングです。 東京堂書店神田神保町店調べ(1月4日) // 1「諸星大二郎の世界」コロナ・ブックス編集部 (平凡社) 2「翻訳家の蔵書」大瀧啓裕 著(東京創元社) 3「本を読むひと」アリス・フェルネ 著(新潮社) 4「誰もがポオを…

panpanyaの醸し出す世界

新しくコミックコーナーができるというので、選書の意見を求められました。「聞いたからと言って棚に並べられるとは限らない」というのですから、責任はさほどありません。当然品数が限られているこの書店では調べきれないので、帰り際に「まんだらけ」と「…

デーモンの画家 ヴルーベリ

最近登場した美術関連の評伝。 // 「デーモンの画家 ヴルーベリ」植田樹 著(彩流社) 異端の天才画家 ──信念の生き様と彼を取り巻いた芸術家たち 不遇を託ちながらも、自分の絵の探求を目指して 歩き続けたヴルーベリ。 明晰な理性と自らを破滅させる情熱を…

よるのばけもの

// 「よるのばけもの」住野よる 著(双葉社) 夜になると、僕は化け物になる。寝ていても座っていても立っていても、それは深夜に突然やってくる。ある日、化け物になった僕は、忘れ物をとりに夜の学校へと忍びこんだ。誰もいない、と思っていた夜の教室。だ…

第19回文化庁メディア芸術祭受賞作品 マンガ部門

2016年度・第20回文化庁メディア芸術祭の審査も大詰めを迎えていることと思います。例年のスケジュールでは、2月上旬には受賞作品展が、東京・乃木坂の国立新美術館で開催される予定です。人気のコミックにはない質感や発見、そして感動に出会えるので今から…

ケトルのEテレ特集が深い

正月は観るべき番組がみあたらないので本が読める。こう思っている放送局員も少なくないのではないかと思います。おまんまの種なんですがね。 // 意外な発見があるチャンネルがEテレです。年またぎに放送していた「0655」「2355」は巧妙に仕掛けられた罠に…