リオ2016パラリンピック開会式を前に、観戦ガイドを買い求められる放送局員が増えてきました。7日の開会式に続き18日の閉会式まで22の競技が行われます。
オリンピックとパラリンピックはほぼ同時期に開催されるため、放送局では特別の体制で放送に臨みます。離れた会場で連続して実施される試合を漏らさず放送するためには、機材の輸送やスタッフの配置など綿密な計画を立てる必要があるからです。取材や中継の対応だけでなく、中継映像をどのような手段で日本まで届けるか、権利処理の対応はどうするか、撮影された膨大な未編集素材をどのように保存するか、放送に携わる特別チームは数年かけて実施計画をたてます。
パラリンピックの放送はオリンピックで使用した機材をほぼ引き継いで実施されます。しかし放送に携わるスタッフはパラリンピック放送担当に引き継がれます。障がい者スポーツのルールは一部変更されている場合があるので、事情をよく理解した担当者に放送をゆだねる必要があるからです。
放送担当チームにとって、試合の勝敗や競技の成果を伝えることはもちろん大切です。しかしそれ以上にパラリンピックの背景や、競技のルールを理解する必要があります。障がいの種類によって種目数が多いパラリンピックの背景には選手が持つ障がいの多様性があります。その歴史と背景を理解せずに放送はできないのです。
パラリンピック放送関係者の関心を集めているのがこの本
「パラリンピックの楽しみ方」藤田紀典 著
1964年東京パラリンピック開催から近年の状況、競技の種類、用具の進化、歴史的な選手まで完全記録!最新パラリンピック観戦入門書!
「パラリンピックを学ぶ」平田竹男、河合 純一、荒井 秀樹 編集(早稲田大学出版部)
パラリンピックの歴史、競技の特殊性、選手の競技環境、選手を支える人々、パラリンピックをめぐるメディアの役割など、これ1冊でパラリンピックのすべてを理解できる日本初のパラリンピックテキスト。早大人気講義の書籍化。