本屋は燃えているか

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渋カジが、わたしを作った。

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「渋カジが、わたしを作った。 団塊ジュニア&渋谷発 ストリート・ファッションの歴史と変遷」増田海治郎*1 著(講談社

1985年、当時主流だったDCブランドに対するカウンターカルチャーとして、アメカジに身を包んだ若者集団“チーム”が渋谷にこつ然と現れた。渋谷センター街を拠点としたかれらのファッションは、口コミで東京都内の高校生に広がり、やがて“渋カジ”と呼ばれるようになった。本書は、1985年のアメカジから1988~89年の渋カジ、1990年~91年のキレカジ、ハードアメカジ、1991~92年のデルカジまでのアメカジをベースにした7年間のストリート・ファッションの変遷を「渋カジ」と総称し、その誕生の経緯、細かいスタイルの変遷を詳細に記録したものである。

1970年代生まれの人たちは「団塊の世代ジュニア」と称されています。もっと絞ると1971年から1974年までに生まれた世代をいいます。2017年の今45歳周辺の人たちで、10代の頃はめちゃくちゃ世の中に物があふれていました。しかし大人になった彼らを待ち受けていたのは就職の大氷河時代で、蟻とキリギリスに例えるならば、キリギリスの半生を余儀なくされたのです。

・現状に対する不満や無力感を抱えている
・自分らしく生きたい
・女性のキャリアアップ志向が強い

将来に対する不安を感じる。消費には消極的である。ブランド志向は弱い。家庭志向が強い。というこの年代が社会の軸となっている今だからこそ、「渋カジ」を分析する意味があるように思います。

渋カジが、わたしを作った。 団塊ジュニア&渋谷発 ストリート・ファッションの歴史と変遷

渋カジが、わたしを作った。 団塊ジュニア&渋谷発 ストリート・ファッションの歴史と変遷

 

渋谷が今注目されているらしいとみえて、渋谷学なる本も登場しました。

tanazashi.hatenablog.com

 

 

*1:GQ JAPAN、SWAG HOMMES、Fashionsnap.com、東洋経済ONLINEなどで健筆をふるう気鋭のファッションジャーナリスト