本屋は燃えているか

ブックストアの定点観測

人類の祖先はヨーロッパで進化した

どうしてサルから進化した人類が体毛を失ったか?

NHKスペシャル「病気の起源」を見ると人類の辿った数奇な運命はドラマのようにピンチとチャンスの連続だったことがよくわかります。

人類史をめぐっては様々な視点から世界中の学者が新たな知見を提供してくれるので、ちょっとしたファンが付いているジャンルでもあります。

f:id:tanazashi:20170821171508p:plain

 

「人類の祖先はヨーロッパで進化した」デイヴィッド・R. ビガン 著(河出書房新社

ヨーロッパからアフリカへ逆戻りして、人類が誕生した! 人類誕生以前の、3000万年にわたる知られざる類人猿の進化を明かす!

第1章 初期の類人猿
第2章 出アフリカ―アフロピテクスとその仲間
第3章 世界に出る―ヨーロッパに広がった類人猿
第4章 故郷へ再び―新しいアフリカ=ヨーロッパ系類人猿
第5章 東と西の大分裂
第6章 イースト・サイド・ストーリー―ヒトの従姉妹であるシヴァピテクスとオランウータン
第7章 ウエスト・サイド・ストーリー―ヨーロッパのアフリカ類人猿
第8章 ドリオピテクスの末裔
第9章 再びアフリカへ

アフリカに端を発したとされる人類の祖先・類人猿は、アフリカを出てヨーロッパやアジアに拡散したとされています。その過程で二足歩行や肉食生活などを獲得し、頭を働かせて生活する形になっていったようです。やがて文明を育んだ人類の祖先の生き様を巡って、グローバリズムという流れの中で再評価が起きています。しかし、偏狭な人種至上主義の動きにも目が離せません。

文明を文化に置き換えてみると,世界には多種多様な民族が固有の文化を継承しており,それらに優劣があるはずもありません。  人類の進化と拡散

原点に返ってものを見ることの大切さを感じる本といえそうです。