ひと昔前までよく見かけた「続きはWEBで」という広告。最近あまり見ませんよね。
それは、企業や個人が自分の力で情報を発信する力をつけてきているからだと言われます。
「マスメディア」に対して、自分たちで運営する「オウンドメディア」が身近なものになっているのです。
長らくその運営に携わってきた著者が出版したのがこの本。
「オウンドメディアのつくりかた 「自分たちでつくる」ためのメディア運営」鷹木創 *1著(ビー・エヌ・エヌ新社)
良くも悪くも話題に事欠かないオウンドメディア。ウェブ上でメディアを立ち上げる技術的なハードルが下がったことで、様々なメディアが生まれる一方、正確性や倫理性の観点から多くの問題点も指摘されています。では、どうやったら、読者から愛されるメディアを、「自分たちで」つくり、続けていくことができるのでしょうか?
本書は、アイティメディア(誠Biz.ID)、Engadget日本版をはじめ、数々のメディアの立ち上げ・運営に携わってきた著者による、自社でコンテンツを生み出し、読者に喜ばれるメディアに育てていくための現場のノウハウをまとめたものです。
事情を知らない人にとって、ウェブコンテンツの制作にかかる費用は、寿司屋の時価と同じようなものといえます。見積もり書に書かれた中身が想像できないことに加えて、作業内容もコンテンツ制作者の思うがままに決まってしまうからです。
閉じた世界の中ならば時価が通用するかも知れませんが、広く普及させるには著者が指摘するような問題点を乗り越えて行かねばなりません。
たとえば経費の実例として、カメラマン(100カット)2万円、ライター2万円、イラスト3千円/枚など、一つの記事を書くために必要な事例を著者は具体的に書いています。こうした現場の人が持つリアルな値頃感が説得力を持ちます。
オウンドメディアの仕事を目指す人だけでなく、読者に信頼されるサイトをめざしたりする企業や組織の担当者が目を通しておくべき本といえるかもしれません。
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