「異教の隣人」釈徹宗、細川貂々、毎日新聞「異教の隣人」取材班 著(晶文社)
異国の国籍を持った人たちが大量に働きにやってくる時代を向かえます。働きに来てすぐに帰るひとたちと思い込んではいけません。環境がよければ住み続けたいと言うのは洋の東西を問わない真理です。
個人の自由の主張は裏返すと、個人の自由の主張で被る不利益を社会全体で支えることを意味するからです。
ものの考え方にしても同じです。働きにやって来た人たちは、これまでになかった価値観を持っています。その価値観を捨て去ったり、遠慮して隠したりすることはありません。
そんな人たちと直接対峙するのは行政の窓口ではなく、働きにやって来た人たちが暮らす地域社会です。あなたの隣に越して来た場合はあなた自身の問題になるのです。
そんな事態に直面した時、単一社会である日本の暮らしはどう変わるのでしょうか。すでに住民の多くが異国の人たちに置き換わってしまった地域の実例を見ることで処方箋のたてかたを想像することができます。