本屋は燃えているか

ブックストアの定点観測

2018-07-01から1ヶ月間の記事一覧

#廣末登「ヤクザの幹部をやめて、うどん店はじめました。 極道歴30年中本サンのカタギ修行奮闘記」

// 「ヤクザの幹部をやめて、うどん店はじめました。 極道歴30年中本サンのカタギ修行奮闘記」 廣末登*1 著(新潮社) ノーナレというドキュメンタリー番組で密着取材された元ヤクザのルポルタージュ。 テレビカメラは取材対象の表情や口調といった情感を直…

#坂川裕野「亜由未が教えてくれたこと―〝障害を生きる〟妹と家族の8800日」

// ドキュメンタリーの制作者は例外なく取材対象となる相手との距離の取り方に悩むといいます。 過酷な人生を歩んだ人に寄り添って、その人の目線に立つて取材を続ける制作者ほど、「自分の立ち位置」に戸惑います。自分の居る場所は「安全」な場所だからで…

#マイケル・フィンケル「ある世捨て人の物語: 誰にも知られず森で27年間暮らした男」

// 「ある世捨て人の物語: 誰にも知られず森で27年間暮らした男」マイケル・フィンケル 著(河出書房新社) 孤独死、無縁社会・・・都会の孤独が現代社会のテーマとしてクローズアップされています。 お一人様の人生を選ぶ、もしくは選ばざるを得ない人たち…

#日本建築学会「幸せな名建築たち 住む人・支える人に学ぶ42のつきあい方」

// 「幸せな名建築たち 住む人・支える人に学ぶ42のつきあい方」日本建築学会 編(丸善出版) 現代の名建築というとまず頭に浮かぶのが清家清さんの「私の家」ではないでしょうか。 庭に向かって開け放たれた間口から入った平屋建てのスペースはを家具や調度…

#立花隆「死はこわくない」

// 「死はこわくない」立花隆 著(文藝春秋) 膨大な読書量で知られる立花隆さんの新刊です。 一度事務所のある通称「猫ビル」にお邪魔したことがあります。 入り口から応接室、事務所まで壁がすべて本に埋め尽くされていてビックリしました。 小さな公立図…

#石井光太「原爆 広島を復興させた人びと」

// 「原爆 広島を復興させた人びと」石井光太 著(集英社) 広島に原爆が投下された日。 広島の放送局では毎年この日に合わせて特別番組を制作し続けています。 被災した人たちが亡くなるに連れ、原爆の記憶が風化します。 風化するだけでなく、先の大戦を矮…

「声優男子。2018 Summer」

// 「声優男子。2018 Summer」(ぴあ) 最近は少なくなりましたが、声優さんの中には素顔を公開しない人がかなりいました。 放送番組の制作をしていると声優さんにナレーションをお願いすることがあります。 当然、素顔を公開しないタイプの声優さんに声をつ…

「医事課のお仕事 2018-19年版―コミック医療事務入門」

// 「医事課のお仕事 2018-19年版―コミック医療事務入門」山田雅資、飛田美琴 著(医学通信社) 人間が主人公の現場では出来事すべてがドラマの対象となります。そのため企画立案にあたる制作者は広く浅くアンテナを張り巡らせて次の仕事のヒントを探します…

【ブックレビュー】週刊エコノミスト2018.07.17

週間ダイヤモンド2018年7月17日号に掲載されたビジネス書ベストセラーです。 // 「現代社会はどこに向かうか――高原の見晴らしを切り開くこと」 「中国 経済成長の罠 金融危機とバランスシート不況」 「新貿易立国論」 「炎上とクチコミの経済学」 「本屋な日…

【ブックレビュー】週刊エコノミスト2018.07.14

エコノミスト2018年7月10日号レビュー欄で照会されたビジネス書 // 「ゴールドマン・サックスM&A戦記 伝説のアドバイザーが見た企業再編の舞台裏」 「太陽を創った少年:僕はガレージの物理学者」 「権力の「背信」 「森友・加計学園問題」スクープの現場…

ビジネス書ベストセラー2018.07.14

週刊ダイヤモンド2018年7月14日号に掲載されたビジネス書ベストセラーです。 // 1.「頭にきてもアホとは戦うな」 2.「10年後の仕事図鑑」 3.「1分で話せ」 4.「大人の語彙力ノート」 5.「一流の気くばり力」 6.「東大読書」 7.「嫌われる勇気…

【ブックレビュー】週刊ダイヤモンド2018年7月14日号

三省堂書店有楽町店主任が選んだ ビジネス書 週刊ダイヤモンド2018年7月14日号 // 「イーロンマスクの世紀」 「ロジカルシンキング」 「さよならインターネット」 「イーロンマスクの世紀」 イーロン・マスクの世紀 EV、都市開発、人類の火星移住…奇才の野望…

#大越健介「「激動の世界をゆく」大越健介取材ノート」

// 「「激動の世界をゆく」大越健介取材ノート」大越健介 著(小学館) あのニュースの舞台裏では、何が起きているのか。そこで生きる人たちは、いったいどんな思いでいるのかを探ってきた「激動の世界をゆく」。時間に制約があるテレビではすべてを語る事は…

#国分拓 「ノモレ」

// 「ノモレ」国分拓*1 著(新潮社) 優れた番組制作者は優れた書き手でもあります。それは取材対象との距離感や関係の結び方がぶれないからです。 「きょう電車で席を譲ったひとが、あしたひとを殺す――それが人間だと思っている」国分拓 影絵:わたしがみた…

#池上彰 「もっと深く知りたい!ニュース池上塾」

// 「もっと深く知りたい!ニュース池上塾」池上彰 著(祥伝社) ニュース番組の制作者は、視聴者像を中学1年生に想定しているのだそうです。 専門用語は使わないか、もしくはできるだけ平易な日本語に言い換えているのはそのためです。 それでも世の中の変…

#白川優子「紛争地の看護師」

// 「紛争地の看護師」白川優子 著(小学館) 外務省のサイト「海外安全ホームページ」は海外取材をする際、まず最初に確認しなくてはならない情報の一つです。 ここには世界各国の治安に関する最新情報がまとまっていて、現地の安全を確認できます。 渡航・…

#ダイヤモンド経営者倶楽部「ザ・ファースト・カンパニー2018――創造と革新を求め続ける企業」

// 「ザ・ファースト・カンパニー2018――創造と革新を求め続ける企業」ダイヤモンド経営者倶楽部 編(ダイヤモンド社) 優良企業を取材すると、商品やサービスの面白さだけでなく、思いがけない発見をすることがあります。それはモノを生み出すヒトの発見です…

#塚本久美「月を見てパンを焼く」

// 「月を見てパンを焼く」塚本久美*1 著(カンゼン) パンづくりは、仕事であり、趣味であり、生きていることそのもの。月の暦に合わせて20日間パンを焼き、10日間は生産者を巡り、パンを一つも無駄にしない。しかし決してロハスな生活ではなく、ビジネス的…

#齊藤孝浩「ユニクロ対ZARA」

// 「ユニクロ対ZARA」齊藤孝浩 著(日本経済新聞出版社) 渋谷の井の頭通にzaraの店舗があります。あたりの雰囲気がドンキホーテの店内のように満艦飾の色や形で敷き詰められている場所で、zaraのショウウインドウのデザインは特異です。例えていうなら中庭…

#松原タニシ「事故物件怪談 恐い間取り」

// 「事故物件怪談 恐い間取り」松原タニシ*1著(二見書房) 身近な住宅街や繁華街にある「ワケあり物件」の不思議な話を、すべて間取り付きで紹介するこれまでにない怪談本です。 tocana.jp www.oshimaland.co.jp 事故物件怪談 恐い間取り 事故物件とは、前…

#谷口ジロー「犬を飼う そして…猫を飼う」

// 「犬を飼う そして…猫を飼う」谷口ジロー 著(小学館) ウェブサイト「ほぽ日」の人気コーナーの一つに「ドコノコ」という企画があります。 元々は糸井重里さんの愛犬を日記のように写真とエッセイで紹介していたものですが、主人公の犬が年老いていくに…

ビジネス書ベストセラー2018.06.18

週間ダイヤモンド2018年7月7日号に掲載されたビジネス書ベストセラーです。 日販オープンネットワークウィン調べ(単行本ビジネス6月18~24日) // 1.「1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365」 2.「10年後の仕事図鑑」 3.「大人の語彙力ノート…

【ブックレビュー】エコノミスト2018年7月10日号

エコノミスト2018年7月10日号レビュー欄で照会されたビジネス書 // 「ゴールドマン・サックスM&A戦記 伝説のアドバイザーが見た企業再編の舞台裏」 「太陽を創った少年:僕はガレージの物理学者」 「権力の「背信」 「森友・加計学園問題」スクープの現場…